07.04.30 西安から−2
法門寺前面
法門寺。西安西郊にあり、一日ツアーでは行かない所。

4月29日。朝8時、老吉さんのお迎えを受けて法門寺に向かう。老吉さんは可愛い奥様同伴。法門寺まで100Km。車は金獅という8人乗りのバン。新車。

 郊外では盛んに道路工事をやっている。立体交差やら3号環状線新設など。内陸部開発政策の一環でしょう。昨年の中国GDPの半分近くが建設・不動産投資だった。経済過熱と投資アンバランスを懸念する声が上がっているけれど、北京を筆頭に全国で大規模工事をやっているんだから、これは当然の帰結。過熱が怖ければ工事を控えるしかない。控えるなら先ずマンション建設。新築の空き家が一杯ある。総体として実需が伴う投資ではないという証拠。けれども片方ではドル買いで市中に・・・。

 おっと、こんな話は旅行記には合いませんね。まぁそんなことを考えながら新しい高速道路を西に向かってひた走る。周囲は殆ど麦畑。偶に収穫前の菜種。野菜のビニールハウス。薄いピンクの桐の花。のどかな農村風景です。一見平坦に見えますが、所々陥没したような窪地や段差がある。ふとNHK/BS3で見た河南省農民の出稼ぎを想い出した。コンバインを連ねて湖南省まで麦刈りに行くあれです。この辺じゃコンバイン買っても使えないな、こんなにあちこちに段差があるんじゃ。

 西安→宝鶏市の中間辺りで右折して法門寺行きの新道に入ります。それからまた可成り走った。これだけの新道を作らせる法門寺とは?
磚塔
 何でも仏舎利があるお寺だそう。それも4個も。1930年だったかに四層の木塔が倒れた。当時この地方の知事だか軍司令官だったかの朱将軍(国民党)がなかなかの篤志家でこれを修復した。そのとき地下に宮殿があり、そこに仏舎利が埋蔵されているのが発見された。塔は磚で30米の高いものに再建した。しかし仏舎利の存在は「日本軍が西安に迫っているから」という理由で堅く秘密にされた。村民もよく秘密を守った・・・と、境内の展示板に書いてありました。

 法門寺入門料。私はパスポートを見せたらタダになりました。老吉さんの智慧です。これ、昨年kan-abeさんがお出でになり、試してみて成功されたとのこと。普通は幾らなのかな? 老吉さん後で教えてください。(注)法門寺28元、珍宝館45元(私は25元)だそうです。

 境内は礼拝堂・大雄宝殿・磚塔と宝物館(こちらでは珍宝館)とに分かれています。みんな新しい。仏像は金ぴか。どうも有り難味がない。磚塔も二代目。1987年かに長雨の為に半分が崩れた。そこで宝物館を作って仏舎利その他を移し、遺構の上に内部は鉄筋コンクリート、外装は磚で新しい塔を建てた。見栄えがする堂々たる塔です。けれどもそれだけの物。
 しかし、宝物館の仏舎利を筆頭とする展示物は見応えがありました。最近の造りですから分類も展示の仕方もよく出来ている。結局お寺に入ってから門を出るまで2時間を費やした。こういう物が好きな人だったらもっと時間が掛かりますね、きっと。ここだけで往復3時間参観で2時間、計5時間必要ですが、行ってムダということはないと思いました。
宝物館

 法門寺から乾陵に向かいます。今度は西安のやや北の方角を目指し約1時間旧道を走る。まず乾陵の足下にある永泰公主の墓。地下の玄室まで入れます。
地下墓の壁画−1
途中の壁に壁画がある。本物は剥がして西安の特別な博物館に保存してあり、今見られるのは複製だそうですが、感じが高松塚古墳の壁画とそっくりです。こちらの写法、技法が日本に伝わったのでしょうね。
地下墓の壁画−2
 永泰公主という人は唐朝三代目高宗と則天武后の孫娘。墓の入り口の説明板に17歳で亡くなったとある。何でだろう? すると老吉さんの奥様が説明して下さった。則天武后の悪口を言ったという理由で則天武后に殺されたのだと。この後に回った墓の章環太子もイ徳太子も則天武后に殺されたという説があり、墓もそれぞれ別の地方にあったが則天武后の死後、父親の中宗によってここに遷葬されたのだそう。中国では女性が権力を握ると碌な事がないと信じられている。則天武后がその一例とされているようです。

 ともあれ三つ回った太子・公主の墓はどれも構造は同じ。永泰公主墓が一番立派でした。父親の娘を不憫とする気持ちの表れなのでは。

 乾陵。よく写真で見る群臣が参道に整列している雄大なあれです。看板にたった一つの未盗掘陵とありました。地元民が石を掘りに来て墓の入り口を偶然発見したのだそうですが、政府は未だ発掘調査していないとか。これも老吉さんの奥様の説明によれば、下手に発掘して地下の文物の価値を減じてはならないという考えだそう。どこかの国の文化庁はこの国に学ぶべきではないでしょうか。

 乾陵参観入り口は中腹にあります。そこまで車で入る。大きな山全体が陵ですから、下から歩いて登るなんていったら大変です。歩きたい人ならいいですが。
乾陵
(左)ここは中腹。後ろの山が本体。

(右)参道。左右の頂きに見える建物は門楼。
乾陵参道
外国使臣の石像
 中腹から乾陵の頂上までまだ可成りあります。頂上まで馬で行ける。乗らないかと迫る売り込みマンがいました。往復で70元ということでした。
群臣石像
 私は乗らなかった。以前雲南中甸で乗って、その後数日尻が痛くて参りましたから。じゃ足で登ったのか。いえ、登りません。私、山も階段も上るの大嫌い。

 ともあれ乾陵は写真で見て予備知識はありましたが、実際に行って見てその雄大さに驚きました。ただ法門寺もそうですがバスが一日に1本しかないため、車をチャーターしないと行き難い点が難点ですね。

 そうそう。ここも私はパスポート呈示で入場料タダになりました。但し、乾陵のみ25元。普通の人は太子・公主墓も入れる連票で71元だそうです。
 
 明日は山西省運城に向かいます。
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