07.05.08 洛陽・鄭州
龍門石窟
洛陽の龍門石窟は有名ですから寄ってみました。でもそんなによくない。

 5月3日。昨夜PCをネットに繋いだら1時間で切れてしまった。朝フロントで精算するとき、「日本人ですか?」と日本語で聞く子がいたので、日本語でそのことを言ったら通じない。しょうがないから紙に書いた。「どうして1時間で接続を切ったのか?」と。相手は困った顔をして「分かりません」。そちらの関係は専門の職員でないと分からないのかな。寛帯免費と言いながら実は最初から1時間しか使わせない方針なのか、それとも何か障害が起きたのか。この国では本当に不可解なことが多い。

 タクシーを拾い長途汽車站へ。このタクシーは軽バン。荷物が積める型式。6元。田舎に行くとこういうタイプがあります。時間ギリギリだったのに予定していた8時発の洛陽行き直達バスにすんなり乗れました。黄河の右岸を走る。河南省都鄭州から陝西省都西安に通じる幹線ですから道路はいい。緩やかな下り。次第に土の色が変わり、緑が濃くなって行くのがよく分かる。ウトウトしている内に洛陽着。所要時間1時間50分。

 バスを降りて先ず洛陽観光地図を買う。龍門石窟はどの辺か? 近いですね。殆ど市内。あと有名な白馬寺はどうかな。町外れくらいの感じだ。じゃ、もし回れたらこの二つを見ようか。そして夜武漢に向かおう。 

 次は長途汽車站で武漢行きを調べる。便はあるけれど11時間掛かるという。ウヘー。買うのは保留して火車站へ。駅舎に入った途端、切符を買う人の長蛇の列。見た途端戦意喪失。こりゃダメだ。どうしようか。

 駅前には人がうじゃうじゃいる。西安老吉さんの話では労働節中は牡丹祭りとかで洛陽一番の観光シ−ズン。かき入れ時だからホテルも高いとのこと。いっそ鄭州まで足を伸ばしたらとの助言をいただいていたので、そうすることに決める。鄭州行きならバスが頻繁に出ているから切符の心配は要らない。運城のmr.NZさんに電話してC-Tripで鄭州のホテルの手配をお願いする。携帯を持っていると、こういうとき便利です。電話を受ける方は迷惑かも知れないけれど。

 ではバスで行くかタクシーで行くか。歩き出した途端「洛陽一日遊」の札を持ったお姐ちゃんに捕まった。札には5カ所くらいの観光ポイントの名前が書いてある。中に少林寺もありましたね。これは小型バスに散客を詰め込む一日ツアーだな。そう思った。だから「石窟と白馬寺だけでいいんだ」と言った。そう言えば諦めるだろうと。ところが案に相違してアッサリ「可以」と言う。アりゃー、当てが外れた。何で行くのか聞いたらタクシーだと。ふーん、包車ということか。「幾ら?」。「200元」。「そりゃ高い」。「いや石窟と白馬寺は方角が違うから高くない」。

私は石窟だけ見ればいいつもり。中国のお寺はどこもみな同じ。雅趣なし静謐感なし。些か食傷気味。だから白馬寺は見なくてもいい。「石窟だけでいいから不要了」と断った。しかし敵もさるもの引っかくもの。引き下がらないんですね。「じゃ石窟に行こう」。「幾ら?」。「40元」。これにマンマと引っ掛かっちゃった。200から一気に40になりましたからね。じゃ行こうかと、これだと指さすタクシーに乗った。何とそのお姐ちゃんが運転席に座るじゃないですか。タクシーの運ちゃんが客引きやってたんだ。

 道々そのお姐ちゃん、と言っても四十がらみですが、「石窟と白馬寺は一度市内に戻ってから違う道を走る。それも遠いから200元は高くないんだ」と何回も言ってました。後で走った鄭州行きの高速道路に「白馬寺下口」がありましたが、確かに市街から離れていた。すると200元は妥当な金額だったかも知れません。素直に乗るべきだったかな。

 今度は40元は高くないという話になった。「見て、あのバス。石窟行きだけど満員だよ。あれに比べればタクシーの方がいいよ」と言う。アリャー、石窟行きバスもあったんだ。「それにあたしゃ帰りの客は無いしね」。「エッ! なにっ! 40元で片道だけか」。「そうだよ。往復なら80元貰わなくちゃ合わないよ」。かくして私、龍門石窟入口前で放り出されました。私中国には結構慣れているつもりでしたが、まだまだ修行が足りませんね。交渉妥結の時、単程か往復か紙に書いて確認すべきでした。このお姐ちゃんそれでも幾らか可愛いとこがあって、降りるとき「帰りのバスはあそこだよ」と教えてくれました。

 入り口前で放り出された・・・と書きましたが、そこは車が入れる限界の所で、そこから人間のゲートまで未だかなり距離がある。私バックパック背負って更に手提げバック1個持っている。火車站前の荷物預かり所に預けるつもりだったんですが、預ける前に拉致されちゃったので預け損なった。この荷物持って歩くのはしんどい。その辺にいた職員らしいのに預かり所ないかと聞いたら、「有」と言って土産物屋街を指す。

 土産物屋街へ行ってみた。行李寄存処なんてどこにもない。土産物屋ばかり。しょうがないから一番大きい店に入って荷物預かるかと聞いた。OK。2個で8元。その後が良くない。10元出したらお釣り出さずに10元のレシートを寄越した。若い小姐です。今お前8元って言ったろ。2元返せ! するとニヤニヤ笑って石窟の方を指し、早く行けと手を振る。別に2元くらいどうでもいいんですが、こういう不正は許せない。ゼニカネの問題じゃない。

 すったもんだやって一向に埒があかないから怒鳴ってやろうかとしたところで横にいた小姐が割って入り、急いでレシートを訂正し、2元返して寄越した。危ないところでした。怒鳴るとなれば日本語ですからね。
石窟のとっかかり
 身軽になったからゲートまでトコトコ歩いた。暑い。汗が出る。人が多い。門票売り場には列が出来ている。私はゲートに直行。パスポート見せてすんなり通過。しかし中は人で一杯。石窟前の階段なんかギッチリ詰まっていて、一つ間違えたら明石の跨線橋事故だなと感じました。
二番目に大きい石窟
 そんな中でも皆さん写真撮り合っている。そのカメラ構えている前を委細構わず人が通る。もう滅茶苦茶です。私も大仏の写真撮りましたが、どうやっても人の頭が入る。そんなですから感銘なし。つくずくこういう時期に来るもんじゃないと思いました。また、TVで見ている方が遙かにいいな・・・とも。
小さい石窟
 見る物見たからサッサと帰ろう。ゲートの外から土産物屋街まで電動車が走っています。さっき歩いて汗かいたからこれに乗ることにします。2元のチケットを買う。ここでまた一悶着。券売り場の前に鉄棒がないから列に割り込みする奴が多い。あと二人くらいのところでまた割り込み。堪りかねて「排隊ba」と言った。そしたら「オレの方が先に来た」と吐かす。よくもまぁヌケヌケと言えるもんだ。
蜂の巣状石窟
「何言ってやがんだ。オレはお前が横から入ったのをこの目で見てるんだ」。懸命の中国語です。向こうが言い返す。押し問答。後ろから女性の声で「喧嘩は止めて!」。その男まんまと票をせしめて行っちまいやがった。
 売り場の係も割り込みには売らなきゃいいのに、そういう注意は払っていない。ただ突っ込まれた手に反応するだけ。すぐ傍には武警も立っていた。これもただ見ているだけ。木偶の坊です。あと一人のところでまた割り込みが。いい年の禿頭。「排隊ba」と手で押し返してやった。こいつも「オレの方が先だ」と睨み付けてくる。この国じゃこれくらい厚顔しくないと生きていけないのかなぁ。遂に堪りかねて「中国人没有文明」と言ってやった。そしたら一瞬相手は怯んだ。私が外国人だと気がついたのでしょう。

 やっと票を買って電動車に乗ります。割り込みした奴も一緒。こっちは顔を覚えている。この野郎!って思っている。でも相手はもう何てことないんですね。ケロッとしている。まぁしかし、中国政府も大変ですね。こういう手合いが13億もいるんだから、礼儀を守りましょうなんて言ったって、「エッ! 礼儀って何?」てなものでしょ。まぁいいとこオリンピック期間中だけじゃぁないかな? おとなしく言うこと聞くのは。

 帰りはバスに乗りました。1元5角でした。途中に「関林」という観光名所がありました。ここは関羽の首塚(の一つ)らしい。でも運城の関帝廟を見たから関羽はもう十分。だから寄らなかった。バスの終点は火車站前。タクシーに拉致された場所の目と鼻の先。やっぱり胡散臭い誘いには乗ってはいけないんだ。改めて反省した次第。

 すぐ鄭州行きバスに乗ります。洛陽にいたのは僅か3時間かそこら。観光というより、まるで戦争でした。

 鄭州まで約3時間。途中mr.NZさんから柏維索克快捷酒店を予約したと入電。mr.NZさんお手数をお掛けしました。

 鄭州でも先ず地図を買い、更に武漢行きバスの便を調べる。何便かあるが8時間掛かるという。どうも気が進まない。火車站に行く。あれは何と言うんでしょうか? 座席情報の電光表示板。武漢行き何本かの内、翌日の「有」は1本だけ。それも無座。連休中の行き当たりばったり旅行で、まともな火車票に有り付こうと考える方が無理ということですね。駅前のホテルに飛机票店があった。そこで調べたら翌日午前10時の便がある。これに決めた。590元。

 外に出たところでスクーターに乗った男が「乗らないか」と言う。バイクタクシーならぬスクータータクシー。初めてです。行き先を言ったら「知道」。幾らかと聞いたら「3元」。乗りました。走ったのは1キロくらい。着いたら8元だと言う。「何で?」。「荷物が二つだから」。何だかよく分からん理屈です。ここでも戦ってやろうかと思ったけれど、もう面倒くさい。黙って8元払ってやりました。

 前に中国人数人と話していて、どこの人間が一番狡いかという話題になったことがある。私は当然、上海人という結論に落ち着くだろうと思っていた。ところが意外にも彼らの意見は河南人ということだった。この辺は昔の中原。権謀術策が渦巻いた土地。だから騙人が多いと言うのです。今回河南省を三門峡、洛陽、鄭州と歩き、このような経験をして、「ウン、そうかもな」と思った次第です。
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