07.05.14 黄鶴楼
黄鶴楼
故人西辞黄鶴楼
煙花三月下揚州
孤帆遠影碧空尽
唯見長江天際流

李白

 武漢という地名について。
 一般に「国民党が武漢に政府を樹立し・・」とか「武漢大学」とか言いますが、鉄道の時刻表に武漢という駅名はありません。あるのは漢口か武昌。私が子供の頃、新聞では「武漢三鎮」と書かれることが多かった。長江(その頃は揚子江)の左岸が川上から漢陽、漢口。右岸が武昌。だから武漢三鎮。漢陽と漢口の境は長江支流の漢江です。官庁は武昌、商業は漢口のようで、高層ビルは漢口に集中しています。

 最初に割り当てられた部屋が莫迦にタバコ臭い。フロントに部屋を変えろと要求。別の部屋は掃除が済んでいないからちょっと待って呉れと言う。それでは・・と昼食に出ます。江広路をブラブラ歩いている内に朝鮮料理屋を発見。看板に冷麺とあったから入りました。何せ暑いので。まぁまぁの味でした。8元。

 戻ったら替わりの部屋がOK。今度はタバコの匂いなし。昔の建物ですからバルコニー付き。対面も窓に鎧戸付きの古い建物。風情があります。早速PCをネットに繋ぎメールチェック。サクサクとまでは行かないけれど、まぁまぁ動きます。上海より早いかも知れない。PCですがいつも15インチのノートを携行している。便利ですが重い。次の旅行に出るときは小さいものに変えなくては。

 観光に出掛けます。先ず亀山公園へ。地図を見ると漢口から漢陽に入った所。ロープウエイで登れるらしい。タクシーに亀山・索道站と書いた紙を見せる。すぐOKで走り出しましたが、降ろされた所は只の公園入り口。索道站らしいものは見当たらない。坂を登って行くと中腹に索道站があった。けれども索道の方向がおかしい。山の天辺に登るんじゃないですね。街の上空を行って帰って来るようになっている。私は街の方から亀山に向かって乗りたかったのに。タクシーの運ちゃん街側の站を知らないんだ。結局亀山の天辺まで汗だくで登りました。
亀山公園の尾根道
尾根には小道があり、三国志の英雄の銅像が適当に配置されている。また、木の間隠れに長江が見える。あと私は行かなかったけれど、ここにはTV塔があります。(右)手前は巨大な鼎で、TV塔とは別物です。
TV塔と鼎

 亀山公園を出て次は黄鶴楼。武昌市。これが大変でした。タクシーに黄鶴楼と書いた紙を見せると端から断られる。何か言うんだけれどよく聞き取れない。10台くらい断られましたか。てっきり黄鶴楼は遠いんだと思った。或いはタクシーのシフト交代時刻なのか。仕方がないから出直すことにして行き先をホテルに変えた。今度は簡単に乗せて貰えた。走りながら運転手に「何でみんな行かないの?」と聞いたら、「大橋を渡るのは番号制。今日は4日だから偶数でないとダメ。オレの番号末尾は3で今日は渡れないんだ」と。そうか。そう言えば2回くらい「チーブリョウ。スーシスーハウ」と言われた。「去不了。数是四号」か。なーるほど。

 「じゃ降ろしてくれ。偶数のタクシー捕まえるから」。気持ちよく降ろしてくれた。料金4元でした。どこでもタクシーは最低6元くらいからの筈。武漢は違うんですね。メーターがゼロから始まるんです。偶数タクシーを捕まえて乗ったら、後ろから来たタクシーから声が掛かり、降りた客が二人走って来て私のタクシーに飛び乗った。私には何の断りもない。中国ではこういう事しょっちゅうあります。

 武漢大橋を渡り始めた所で目の前に黄鶴楼が見える。ナーンダ。こんなに近いのか。でも橋を渡った所ですぐには降ろして貰えない。駐停車禁止らしい。かなり先まで行ってからここで降りろと。乗った時「黄鶴楼」と言ってありましたからね。そしてメーターを指して10元払えと言う。財布を取り出した。そしたら後ろの客が「あんたは払う必要ない。我々が最後に払うから」と。感心した。ちょっと教育のありそうな若者でした。運転手はガッカリしたようでした。

 私は中国の建物の軒の反り具合が好きではない。極端。でも、黄鶴楼は多層なので強い反りがあまり気にならない。威勢を感じます。門票売り場でパスポート出したら「外国人は免費にならない」。ハッキリ断られた。泣く泣く50元払って入りました。湖北省は他省と対応が違うようです。

 流石にここは人が多い。正面でみんな写真を撮り合っている。私も全景を撮っていたら、若い女性にシャッターを押してと頼まれた。カメラはニコンの新しいクールピックス。「これは日本で一番いいカメラだよ」と言ってやった。嬉しそうに笑って「ni是日本人ma?」。是的。それだけで別れました。時間は有り余っているんだからもう少し話せば良かった。

 最上層(5階)まで登りました。眺めは良くない。周囲は無粋なマンションや工場ばかり。おまけに空気が良くない。眼下の長江に架かる大橋が霞んで見えるんです。大陸のいわゆる濛気なのか。或いは砂塵のせいか。それとも工場の排煙のせいか。李白の詩に云う「孤帆の遠影碧空に尽き」なんて風情はかけらもありません。
武漢大橋
帰りはタクシーが拾えない。暮れなずむ大橋を歩いて渡りました。距離優に2キロはあるように感じました。
(左)武漢大橋は二層。下は鉄道です。
(右)遡上する鉄船。往来する自動車の震動で橋が揺れ、カメラもぶれる。
橋上から

 5月5日。帰元寺(漢陽市)。五百羅漢と玉仏がある。お寺は食傷気味なんだけれど、他に適当な所が無いので時間潰しのつもり。ここでも黄門の印籠は無効でした。門票20元だったかな? 良心的です。
帰元寺
 日本の五百羅漢って大体石像です。ところがここの五百羅漢は銅製でしょうか。全部金ピカでガラスのショウケースに入っている。当たり前だけど一つ一つ顔が違う。初めのうちこそ個別に見て歩きましたが一列見ただけでゲンナリした。あとはもう通り過ぎるだけ。五百像全部を丁寧に見る人はまずいないんじゃないでしょうか。
 中国の観光名所には例外なく来訪有名人の写真が貼ってありますが、ここには中曽根元首相の写真がありました。

 東湖(武昌市)。昨日亀山と黄鶴楼に登ったせいか朝から膝が痛い。だから登るのはダメ。タクシーで磨山景区辺りをぐるっと回って帰ってきた。湖水が美しい所です。湖畔の武漢大学キャンパスに寄るのをうっかり忘れた。中国中部屈指の名門大学。多分再び武漢に来ることはない。惜しいことをしました。

 あとは長くなるので端折ります。江広路は一路、二路とある。戦前外国領事館などが置かれた所ですから、今も古い西洋建築が残っています。夜賑やかなのは二路の方でしょうか。大洋と王府井と二つデパートがある。その周りに屋台が出ます。古い賓館も餐庁もあった。ここに泊まれば夜が楽しいでしょう。

 他に気が付いたこと。6日は上海行き早朝便に乗るのでホテルの早餐が食べられない。パンを買っておこうと探しましたが、面包店が1軒も無かった。デパートにも無かった。即席麺を置いている店も無かった。またマックはあるがコンビニが無い。土地の人の言葉が聞き取り難い。それから元、角とも硬貨の流通量が少ない。殆ど紙幣です。これは西安からずっとそうでしたね。
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