10. バンフの町
Banff springs hotel
BanffSprings Hotel。
1888年創業。841室あるそうです。

 午後4時くらいにパンフに帰り着いた。町外れに入った所で、子連れの大きい鹿がノソノソ歩いているのにぶつかる。すぐ車を止め、写真を写そうとすると迷惑そうに逃げて行く。 「鹿にだってプライバシーがあるんだ」と言いたいのだろう。

  駐車場に車を置いて町をぶらつくことにする。諸料金でみる限り未だハイシーズンではあるけれど、天候はよくないし少し寒いし、もうシーズンのピークは過ぎている筈。だが結構車も人も多い。貴金属商で5万円両替。レートは悪く、1ドル=84円74銭。一般的に奥地に入るほどレートは悪くなる。ショッピングモールというのか、専門店ばかりを集めた3階建ビルを一巡。家内の話では「いい物があるが高い」とのこと。地下は最近流行の屋台街みたいな造り。真ん中の空間にテープルがあり、若い白人の女性が焼きそばやチャーハンを食ぺている。マリファナでもやっていそうな風体の悪い若者もいる。要するに、大都会の一部を切り取って持ってきたような情景。山の中らしくない。

 せつかく来たんだからと、彼の有名なバンフスプリングスホテルを見に行くことにする。目抜き通りを直進。Buffalo Stへ入らず、ボウ川に掛かる橋を渡り左折。暫く林の道を行くと、前方にホテルの偉容が見える。女房殿「ワァー素敵 !」と歓声を上げる。さっき 「行こう」と誘ったときは気乗りしない風だったのに。ホテルの近くに一般車が駐車しようとすると、制服を着た係員が追い払っている。奥の方に「パ一キング」の札が見えたのでそこへ駐車。本館の中に入って驚いた。どっしりした風格のある造りでいい感じだが、そこを団体客らしい日本人がゾロゾロと歩いている。自分も日本人なんだけれど… 。更に日本料理店にJTB、近畿ツーリスト、マッハの事務所がある。並んでいるブティックには日本語で「日本円で買い物できます」などと書いてある。外は外国、中は日本だ。

 試みに1軒の土産物店で若い女店員と話してみたら淀みのない日本語の受け答え。しかし「こちらには長いの?」と聞いたら、「済みません。どういう意味でしょうか?」と聞き返された。外見も言葉も日本人だが、カナダ生まれの日系カナダ人だった。そんなことで確か数年前、新聞で「日本人が大挙して(観光に)来るのでシーズンにカナダ人が泊まれない。日本人を閉め出せ」と(カナダ人に)不評を買っているという記事を読んだのを思い出した。

 ボウ川サイドの外が見えるコ一ヒーショップで一服する。窓の下にはホテルのプール。数人の白人の男女。これは漂っている感じ。そこへ日本人の若い女性が一人入って来た。どうするか見ていると、これは端から端へ真面目に泳ぐ。私ならどうするか。やっぱり泳ぐだろうな。プールの向こうはゴルフ場らしい一面の林。ここはよくカレンダーに使われている美しい所。樹種は落葉樹みたい。もう少し遅く来れぱ素晴らしい紅葉が見られただろうと思う。残念。ただしこのホテルは見るだけにして、泊まるのは他にした方がよろしい由。 「部屋は古ぴて狭いですよ」と、これは泊まった人の話です。

 再び町へ取って返し、スーパーで買い物をする。サラダ。実に種類が豊富で色彩豊か。計り売りに大、中、小のカップが用意され,それぞれ○○グラムと表示されている。小カップで2種類買う。その他、日本と違う点は商品陳列棚の背が高いこと。「どうぞ試食を」なんて派遣セールスがいないこと。時間は6時過ぎ。いちばん混み合う時間帯で列が長く、精算に時間がかかった。待っている間いろいろ観察する。人種は白、黒、黄、全部揃っている。移民に対して寛容な国なんですね。キャッシャーの仕事ぶりは日本と変わらない。

 宿へ帰ったらご主人はおらず、若い溌剌とした女性が子供の相手をしている。奥さんにしては若過ぎると思ったが一応挨拶。名前はフロ一ラ。 「宿代を払いたい」と言ったところ、 「Paulalに払ってくれ」と言う。こちらの訝しむ顔色を見て、 「私はペピーシッターなの」。なるほど。子供は幼稚園年少組くらいの坊やと、もっと小さい女の子の二人。余ほど懐いているとみえ、キャツキャツとはしゃいでいる。 「朝食時間を8時から7時30分に変更したい」と伝言を依頼する。明朝迎えが来るから。それにしてもこの家は一体何をしている家なんだろう。

 夜。日本から持参のカップラーメンを、これまた持参の湯沸かし器で調理して食ぺる。カップラーメンなんて普段は鼻も引っかけないのだけれど、今年の3月チェコはプラハでツァーのお仲間にご馳走になり、本当においしいと感じた。だからわざわざ持って来た。しかし豪華な洋室のふかふかの絨毯の上。どうしても場違いな感じがつきまとう。昼間買い求めた絵はがきを友人やら親戚やら、想いつくままに家内と5枚ずつ書き、シャワーを浴びて就寝。
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