2.HMCS.ウィニペグ
護衛艦
ウィニペグの写真を撮った筈なのに見当らないので、代わりにこれは海自第一護衛群の護衛艦。ウィニペグはここに停泊していた。艦形はウィニペグの方が優美。

 次の日はこちらが彼らの艦へ遊びに行った。横須賀駅で出迎えを受け,目の前のバースに停泊している3隻のカナダ艦に向かう。ウィニペグはいちばん手前に繋留されており、頭から尻までよく見える。形状スマートにして色彩美しく、 「いくさぶね」という感じがしない。途中、小錦と曙を足して二で割ったような制服姿の女性とすれ違った。連中挨拶していたから 「今の誰?」と聞いたら、彼らの艦の補給係士官だと。乗員中たった一人の女性の由。 「乗る方も凄いが乗せる方も凄い」と感心する。帆船時代の商船で船長が夫人を乗せることはあったそうだが、軍艦に女性を乗せるなんて聞いたことがない。これは時代が変わったということなのだろうか。

 乗艦するとき、海軍礼式に従い艦尾の国旗に敬礼しようとしたが、ヘリ格納庫が邪魔して艦尾が見えない。見えない物に敬礼はできない。やむを得ず当直下士官にお辞儀したら変な顔された。カナダ海軍では休日は乗下艦の礼を省略しているのだろうか。それにこれだけの艦(旧海軍なら軽巡級)で舷門当直が下士官というのも肯けない。軍艦なら士官が当直していなくてはおかしい。

 艦内隈なく見せてもらう。ダンは空調と火災感知、ならびに消火システムのコンソールを睨んでいるのが仕事らしい。ロンの仕事はいろいろ説明されたがよく分からず。唯一理解できたのは、彼は工作が得意ということだけ。旧海軍で言うと「運用科」かな? 補修・修理係。

 語題が日常会話の範囲から外れると我がヒヤリングは忽ち馬脚を露呈する。エンジンルームで「これはツー・トゥァ一パイン」との説明。不得要領な顔をしていると、 「ガスをジェットして・・」と手振りも人れて再度の説明。仕組みは分かるんだが「トゥァーバイン」が分からん。分かったことにしてその場を離れた瞬間、「あ、タービン」と一コマ遅い閃き。「turbine」の発音が違うんだ。タービンはドイツ語かな?

 兵装は艦首に5インチ砲一門。主兵器はミサイルですね。これは今、世界中どこの海軍も同じでしょう。艦尾にヘリを2機積める格納庫がある。対潜哨戒用だと思う。

 驚いたのは彼らの居住区。5段ベッドだ。仰向けに寝て、上段との間隔が鼻先30センチあるかないか。こんなことなら、昨夜は家に泊めてあげればよかった。薄暗い兵員食堂で夕食をご馳走になる。スープ、ターキーパイ、パン、サラダ、ケーキ、フルーツと種類はあるものの、正直言ってまずい。 「よくこんな粗末なもの食ってるな」と、心中ひそかに彼らに同情する。ところが本人達はそうは思っていないらしい。「味はどうだ」と聞かれ、まさか「まずい」とも言えず、親指を立てて「Good !」と言ったら、「うちのコックは腕がいいんだ」と自慢していた。これからロシア・ウラジオストック、韓国・釜山を訪問。さらにRlMPAC(米日加豪共同演習)に参加。7月に帰国とのこと。7月といえば、あと丸々3ケ月ある。いくら志願した兵役とはいえご苦労さんなことだ。

 それはともかく、彼らは私との遭遇を「Big surpriseだった」と喜んでくれた。日本人の印象は「おとなしいが、よそよそしい感じ」だそう。そして、「カナダにぜひ来てくれ」と言う。カナダは以前から行きたかった国の一つ。「いつか必ず行くよ」と再会を約し、彼らの航海の安全を願いつつ横須賀駅で別れる。

 それから数ヶ月経って夏が来た。さてどこへ行くか。家内が「香港へ行きたい」と言う。返還前の香港をもう一遍見ておきたいと。既に香港へは家内は2回、私は5回行っている。当方そんなに行きたいとは思わないが、「それもいいかな」と賛成。家内に休暇を確定するように言う。ところがそれが仲々決まらない。早くしないとホテルが取れない。段々じれてくる。そこでフッと、頭に「カナダ」が浮かんだ。香港はいつでも行ける。「返還後の香港」だっていいじゃないか。
 早速、愛読誌「格安航空券」を調べると、カナダ航空(CP)のバンクーバー直行は15万。高過ぎる。代理店WAS(ワールドェアシステム)で、デルタ航空(DL)のポートランド経由を8万円で出している。CPの殆ど半額。これは安い。成田→ロス→ソルトレイクシティー→カルガリー入りのバンクーバー→ポートランド出というオープンジョーにする。値段は同じ。家内も休暇が取れ、取りあえず9月2日発、同10日帰国で予約する。
カナダ南西部地図

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