20. 再びバンクーバー
フェリ-の中
帰りのフェリ−の中。とにかく清潔。それが一番の特徴。

 9月8日(日)。10時発のPCLの直行バスでバンクーバーへ。

 フェリーの中で感心したこと。バンクーバーに間もなく到着ということで、バスに再び乗るべく客室から船底に向かって階段を下りるとき、たまたま前に高齢の例えは悪いがもう棺桶に片足突っ込んでいるようなおばあさんがいた。足が悪いから杖を突いて牛のようにのろい。階段は狭い。追い越せないから後ろに延々長蛇の列ができる。ところが4階から最下層階までの階段を下り切るまで、誰一人文句を言わないのには感動した。日本なら必ず誰かが「ババァは家で寝てろ」とか何とか言うところ。こちらの人はマナーがいい。
 バンクーバーのバスターミナルは大陸横断鉄道の太平洋側の終点駅にある。鉄道が寂れたのでバスがここへ移って来たらしい。駅舎は往年の威勢を偲ばせる堂々たるものだった。バスターミナルから今夜の宿ロブソン通りのBlue Horizon Hotelまでタクシー。この車もキシキシいう。料金6ドル程度。運転手はインド人のようだった。とにかくカナダは公共交通機関の料金が安い。
バンクーバー駅
 このホテルは家内がトイレ共用のYWCAは嫌だと言うので、ヴィクトリアへ発つ前に予約しておいた。31階建ての30階。入江とその向こうのNorth Vancouverがちょうど九竜側から見る香港島のようだ。部屋も広く、家内は大変ご機嫌。税込みで218ドル=1万8千円。ここの料金体系は低層、中層、高層の3段階に分かれていて、上に行くほど高い。最上階はペントハウス。その料金は聞き忘れた。きっと高いことでしょう。

 これからの行動予定。まずグランビル島へ行く。次にロプソン通りに戻ってお土産を買う。そして、夜は栄寿司に行くことにする。これは亀井ロイヤルが載っていたのとは別のガイドブック「地球の歩き方」に載っている。残念ながら地元カナダの食事をする気にはなれない。こんな風では本当の旅行にならないと反省はするのだが、カルガリーからこちら、エスカルゴ以外についぞおいしい食事に巡り会わなかった。大体がイギリスとイギリス系の国においしいモノはない。これは定説。

 ロプソン通りとグランビル通りの交差点まで歩き、適当にパスに乗る。グランビル橋を渡った所で下車。橋の下に潜り込む形で戻る。やがて入江に突き出たグランビル島(厳密には島ではない)。ここは東京でいえば芝浦のように昔、倉庫や工場があった所。寂れていたのをマーケットとか土産物屋街に再開発して、今は人気のスポットになっているとか。確かに人が集まっている。家族連れが多い。民族衣裳のペルー人らしいのが6人で民族音楽の演奏をしている。

 マーケットが良かった。いろんな食品・食材がある。「世界中の料理が食ぺられる」という触れ込みの屋台街もある。しかし、ここで焼きそばを食ぺたのは失敗。まずかったし、隣にTVで日本人スチュワーデスが紹介したレストランがあったのに後で気が付いた。そこは桟橋みたいになっていて、行ったことはないけれどサンフランシスコのフィッシャ−マンズ・ワーフがこんなではないかという雰囲気。まずい食事を後悔しながら、栄寿司に公衆電話で夕方の予約をする。

 またパスで帰るつもりだったが、そこからダウンタウンの方へ入江を横断する渡し舟があった。子供の頃縁日の夜店で、セルロイドの舟の尻に何か薬品を付けて、盥の水に走らせる遊びがあった。それに似た一寸法師のお椀のようなボート。面白そうだから乗ることにする。料金は1ドル50セント。
渡し船の中から
 客室の真ん中に計器と舵輪があって、そこに船頭が仁王立ちになって操縦する。入江の中ほどにさしかかると、どちらを向いてもいい眺め。今日は朝からの好天。(やはり写真の出来栄えが全然違う)。もののlO分も走ったろうか。呆っ気なく対岸に到着。
 上陸した所は公園。そこを突っ切ってサーロー通りを北進すればロブソン通りに出る筈。最初は上り坂。近ごろ体重超過で階段だろうと坂であろうと登るのは嫌だけれど、ここは苦痛を感じるほどではない。周囲は日本でいうマンションが多い。南面しているし繁華街は近いしするから、おそらく高級住宅地だろう。

 暫く行くと、向こうから東洋系の若いお母さんと幼い子供二人が来る。子供の一人は乳母車だ。日本語で話している。そこで「すみません、日本からの旅行者ですが」と声をかけた。すぐ怪しむ風もなく立ち止まってくれた。「この辺のマンションは幾らくらいでしょうか?」と尋ねてみる。 「場所、高さによって違いますが、大体20万から30万ドルくらいでしょう」。日本人経営の不動産屋があり仲介は勿論、留守管理も引き受けるとのこと。永住資格についても質問したが、そちらはよく知らないらしい。でも「自分は永住資格です」と言っていた。子供がむずかるし、またそれ以上立ち入った質問もし難いので、礼を言って別れる。

 前に触れたTVの番組は各国エアラインの日本人スチュワーデスが、それぞれの国の紹介をするものだった。バンクーバーを紹介した人はこの地に既にマンションを持っていた。2600万円ということだった。そんな値段ならここに移住するのもいいかな・・・という気がする。   (この項続く)
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