4.B&B
スーザンさんと家内
B & B.
Thorn Burn Drive 6016スーザン ハリスンさん宅の前で。

 その黒い女の子が「あっち」と指す隣の建物の方へ。1階の暗い駐車場のあちらこちらにレンタカー各社の看板が見える。「AVIS」の看板のオフィスへ行き、そこにいる若い女の子に紙を見せると、キーをよこして「4番目の車」と言う。えらくアッサリしている。車はフォード・Cavalier4ドア。1600cc。

 エンジンはかかったがシフトレバーが動かない。さっきのおねえちゃんを呼んで来てやらせてみる。ブレーキを一度強く踏むのだと。今度はヘッドライトがどうしても消えない。「ライトを消すのは?」と聞くと、キョトンとしている。すったもんだの挙げ句、ライトはつけっ放しにするものと分かった。昼夜関係なくエンジンが動いている限りは点灯する構造になっているらしい。文字どおり「所変われば品変わる」ですね。最後に今夜の宿の所在地、カルガリー市NW地区への道を聞く。「ここを出て鉄道線路に沿って行き、立体交差を右折して云々」と言う。後の方は分からない。運を天に任せてソロソロとスタート。さて、どうなることやら。

 建物を出て少し走るとハイウエイにぶっかる。進入路が二股になっている所で、無意識に左側へ進入。家内が慌てて「反対よ !」と叫ぷので、ハッと気がついたがもう間に合わない。一方通行を逆に入っしまった。僅かな距離だったからそのまま進行してハイウエイに入る。向こうから車が来なくて助かった。カナダは右側通行なのです。

 走っている車は少ないが、みんな100キロ近いスピード。車の調子はいいんだけれど、慣れない右側通行だから緊張で手に汗が滲む。もう午後の6時というのにまだ明るい。周りを見回すがまるで何もない。ちらりほらりと工場があったり、入家らしい建物があったりの原野のような所。新千歳空港の周りよりもっと淋しい。AVISのおねえちゃんが言っていた鉄道なんか影も形もない。

 そのうち前方に高層ビル群が見えてきた。さながら、新宿副都心を遠くから見る趣。 「CITY CENTER」という矢印付き道路標識が一定間隔である。目的地は市の中心部ではないからこの道を外れなければならない。勘ピューターを働かせ、大きな交差点でエイヤッとばかり右折。右折信号出したつもりなのにワイパーが動く。方向指示器とワイパーのバーの取り付けが反対なんですね。冷や汗が出る。

 次第に人家が増え、やがて樹の多い住宅地になる。もう1回どこかで左折しなけれぱならない筈。予め宿からFAXで送ってもらった地図を見ながら、家内が交差点にさしかかる度に「ここじゃない?」と言う。まだ早いと思うから2、3回それを無視。「そろそろこの辺か」という大きな交差点でガソリンスタンドに入り、若いお兄ちゃんに地図を示して「ここ何処?」と聞いてみた。目的地Thorn Burn Driveはここを左折ではなく、右折してちょっと行った所だと。幸運なまぐれ当たり。

 そこから先は地図と首っぴきでノロノロと走る。後ろに車が着いてくる。日本ならクラクション鳴らされること必定だろうが、カナダ人は辛抱がいいとみえて、そんなことする車は1台もない。そのあと多少の行ったり来たりはあったけれど、やがて 6016 B&B at Harrison'sに到着。大通りから外れた閑静な住宅地内のごく普通の家だ。道路に街路名、各戸に家番号が表示されている。それが無かったら辿り着くことは不可能だったろう。

ベッドルーム
  呼び鈴を鳴らすと、出てきたのは小柄な初老の女性。スーザンと名乗る。 部屋は10畳くらいの広さに2ベッド。バスルームは別室。リビングは自由に使える。質素だが清潔。ここはマップルマガジン「カナダ」で見つけて、日本から予約した。今回の旅の宿で予約したのはここ1軒だけ。

 なぜカルガリーに泊まることにしたか。初めはカルガリーからバンフへ直行するつもりだった。WASでバンフのホテルの予約を頼んだら、1泊2万円という。毎日そんな所に泊まっていたら予算超過になる。それでB&B(ベッドとブレックファスト。日本で言う民宿)に泊まる方針に切り替えた。ところが、どのガイドブック見てもバンフのB&Bの情報は載っていないのです。カルガリー空港からバンフまで車なら2時間半で行ける。でも予約無しで夜遅くに到着し、それから宿を探すのは無謀ではないか。それで大事を取り、第1夜はここカルガリーに泊まることにしたという次第。

 明日行く予定のバンフの宿はまだ決めていない。取りあえず明日の宿を確保したい。頼みの綱はスーザンさん。「バンフのB&Bを紹介して下さい」とお願いする。 「バンプは難しいけれど、やってみましょう」とノートを引っ張り出し知り合いらしき所に電話してくれたが、相手の返事は「今忙しくて受けられない」とのこと。 「客が一杯」でダメなのか、「自分が忙しい」からダメなのかそこの所は分からないのだが、代わりに他を紹介してくれたらしい。すぐそこへ電話してくれて「クィーンベッドで90ドルという条件だがどうしますか?」。 ダブルベッドは好かんけれど、この際そんなことは言っていられない。即OKする。
 529 Buffalo St,, Banff, Ken十Paula Grier, TEL 403-762-0861

 これは有り難かった。当日バンプのインフォメーションに行けば最終的には何とかなっただろうが、前日に予約できている方がいいに決まっている。スーザンさんの宿代は60C$(以下単にドルということにする。1ドル=約83円)と、予約時当方との通信費3ドルの計63ドル。しかし感謝の気持ちをこめて70ドル差し上げた。「夕食を作りますか?」と言って下さるのを断り、カルガリーのdown townに出かけることにする。先ほどの大通りCenter Stを真っ直ぐ南下すれば、いやでもdown townに着くのこと。

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