8. コロンビア大氷原へ
junction
レイクルイーズ・ジャンクション。ジャンクションは分岐点ということかな。軽食店やガソリンスタンドなどがあります

 再び町を突っ切り、町外れのバスステーションに寄る。明日一日は観光バスでこの辺を回るつもり。カウンターの若い女の子は少し太目だが、最初からニコニコしている。「明日の予約をしたい」と断ったうえで、ガイドブックで選んだコースの観光ポイントを端から言う。コースナンバーも書いてあったからナンバーで頼んでもいいのだが、もし番号が変更になっているといけない。これは用心のため。すると忽ち「OK! 一人58ドル」という返事。同時に端末を叩き、帯のような長いチケット2枚を寄越す。ダメモト精神で「迎えはあるの?」と聞いてみる。 「どこに泊まっていますか?」。宿の番地を言うと、 「OK !  7時50分に行きますから待っていて」と簡単に言う。これは儲けた。 「では」とカウンターを離れると、 「Thank you. Have a good day !」。本当に太陽のように明るい笑顔。こちらの心の隅々までパッと明るくなったような感じがした。この愛想の良さは一体何なんだろう。単純なサービス精神だけでこんなに素晴らしい笑顔が作れるものだろうか?

 町を離れ、大陸横断鉄道の線路を渡り、ハイウエイに入る。入る手前のアプローチ道路に、親指を立てたヒッチハイカーが二人。二人では怖いから無視。ハイウエイに入ってすぐ左側に湖がある。湖畔の木が枯れている。排気ガスのせいではないか。天候は曇り。ときどきパラッと小雨。日本海気候に似ている。道は多少のうねりがあるが概ね平坦。中央分離帯がなくなった。ボウ川に加えて、今度は鉄道線路がときどき道路脇に現れる。相変わらず行き交う車はキャンピングカーが多い。

 やがて渋滞が始まった。道路の拡張工事をしているのだ。所々で旗を振って片側通行させている。それはいいのだが、前からある道路の上にわざわざ盛り土し、トンネルを作っている。土の捨て場に困って考えついた妙案に違いない。ところがそうではなかった。翌日の観光バスで運転手兼ガイドが、「動物が道路を安全に横断するように作っている」と言っていた。つまり動物用横断歩道。アイディアはいいがしかし、果たして動物の方でこちらの意図を理解し、そのように行動するだろうか。

自然の渓谷
 家内が「ガソリンをそろそろ入れなくちゃ」と言う。これはガイドブックに 「ガス欠にならないように早めに給油を」と書いてあったから。 「まだ半分以上あるよ」というのに、「用心するに越したことないよ」とうるさい。それではと、次にガソリンスタンドの標識が見えた所でハイウエイを外れて脇道へ。日本なら標識と目的物はほぼ一体。すぐ目に入る。ところが一向にスタンドが現れないどころか、道はドンドン林の中へ入って行く。人家なんかない。車も通らない。迷いそうな気がして早々に引き返す。(写真)ちょっと横道に入ればこんな風です。

 再びハイウエイに入る所で左を確認。向こうからキャンピングカーが1台走って来るが、十分安全と見て進入し、アクセルを一杯に踏んで加速。ところがすぐにその車に追い越された。それでハイウエイを走る車は見た目よりも早いと知る。これは気をつけなくては。

 バンフから1時間くらい走ったところで「レイクルイーズ」の標識。ここはジャンクションで、本当のLake Louieseはここからもっと奥に入った所にある。それは兎も角、給油すべくハイウエイを外れる。ここはさっきと違い、モーテルやら土産物の店やらが日本のパーキングエリアの数倍の規模で密集している。(上の写真)。

 まずガソリンスタンドで給油。セルフサービスだ。何十年もやっていないからタンクのキャップがどうしても外せない。仕方なく店員を呼んで来てやってもらったら簡単に外れた。情けない。やっと給油し終わって後ろを見たら、なんと3台も並んでいるではないか。慌てて前進。勘定は家内が払った。幾らだったかは聞いたのだけれど、もう忘れてしまった。ただ、家内が「そんなに安くないよ」と言ったのは覚えている。

 そこから少し離れた駐車場に車を置き商店街へ。絵はがきを買う。家内は土産用に、私は通信用に。「切手は?」と聞いたら、隣の店だと言う。その隣の店が面白い。表にそれらしい表示は何もない。奥の方で女性が一人、郵便物を棚に仕分けしている。見たところ郵便局の仕事だが、制服は着ていないし第一、カウンターにも壁にも、郵便に関係がありそうな物は何もない。カウンターでは男が一人、先客の女性の相手をしている。バスのチケットがどうしたこうしたと言っているから、ここはバス会社の出先なんだろうか? その客の用が済むのを待つつもりで黙って立っていたら、奥の女性が気がつき、こちらに来て「何の用か?」と間う。「Air Mai1切手10枚ください」。1枚が50セントくらいだったかな?  もう忘れてしまったけれど、日本の半分くらい。その女性、用が済んだらさっさと元の仕事に戻る。日本でも郵便局民営化が言われ始めたが私は大賛成。ここのように物事すべてシンプルにしていかないと、日本は高コストで潰れるよ。

 外へ出て食事ができる所を探す。ああいうのを何というのだろうか。コーヒーショップみたいな店が見付かった。パン、ハム、チーズ、ケーキ、飲み物類が多種類、ショーケースや籠などに一杯並べられている。客は注文してカウンターやテーブルでそれを食べる。店は狭い。だから外のベンチで食べている人もいる。ここに入り、ハンバーガーとスープを頼む。スープは野菜のごった煮に近く、野趣に富んだ素朴な味。
cofee shop

 時計は13時に近い。ゆっくりはしていられない。大氷原まで2時間はかかるだろう。再び車に乗り込み、急いでハイウエイに向かう。ハイウエイ入口に「←Field」「→Banff」とある。当然、左折してField方面へ。ほぼ100キロのスピードで飛ばす。途中「ジャスパー」と分岐の標識があったが、「これは間道だろう」と気にもせず直進する。これが間違いの元だった。 
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