9. コロンビア大氷原へ−2
Rocky Mt,
 国道1号線の両サイドはこういう岩山ばかり。本当に名前(Rocky )のとおりです。

 道は次第に下りが多くなった。左右の山相が少し柔らかくなったようだ。空も明るくなり木々が美しい。白樺の木もある。もうちょっとしたら、この辺は紅葉がきれいだろう。「その頃また来たいものだ」と考えながら快適なドライブ。しかし何か変だ。右側の川の流れが我々の進行方向と同じだ。氷河は高い所にある。高みに向かうなら川は反対に流れる筈。でも、確かめたくても人家なんかどこにもない。車は走っているがみんな100キロのスピード。それを止めるわけにはいかないし・・・。不安を抱えたまま進む。

 ジャンクションから走り出して1時間も経っただろうか。左側、川の向こうに10軒ほどの部落が現れ、「lnformation」の旗が1本立っている。標識にはFieldとある。 「とすると、大氷原はこの先にあるのか」と勝手読みして更に進む。再び人家など影も形もない道になる。だが一向にそれらしい所に出ない。それどころか、何か山が低くなってきたように感じられる。これはどうも道を間違えたようだ。確かめる方法はないか。ときどきキャンプ場があって人影が見えるけれど、あいにく道路の左側にある。左折するにはセンターラインに寄り、更に対向車線を突っ切らなければならない。それより何より、大体がキャンプ場と気がついた時はもう入り口を通り過ぎている。それからプレーキをかけ、Uターンするのは危険過ぎてできない。対向車が100キロのスピードで走って来ますからね。

 やっと右側に湖が現れ、人が居るのが見える。釣り場のようだ。そこへ乗り入れ車を降りて、湖畔のテープルで話をしている4人連れの所まで歩いて行く。 「Excuse me」と声をかけたら「何の用?」と聞くのが普通だろうに、おっさんが「オー、こっちへ来て話していけ」と言う。調子が狂うよ。 「大氷原はどっちだろうか?」と聞いたら目をむいて、「正反対の方角だよ。お前磁石持っているんだから使ったらどうなんだ」と来た。小生着ているベストの前にいつも磁石をぶら下げている。目敏くそれを見つけたんだ。いやぁ参った。何か続けて話しかけてくるのを適当に振り切り、再び車に乗って元の方向へ取って返す。がっかりして声も出ない。念のため、さっき通り過ぎた Fieldのlmformationに立ち寄る。

 山小屋風の造り。入って行くと、奥に座っていた男がゆっくりこちらへ。レンジャーというのかボーイスカウトのような制服を着ている。 「Ice-fieldはジャスパー方面へ行く93号線。こちらは1号線でField村。紛らわしいので皆さん間違えます」と言う。 「これから走ってどうだろうか?」。「今からではタ方になってしまいますね。観光は無理です」。万事休す。半日無駄に費やしてしまった。でも「皆さん間違えます」の一言で少し救われた思い。

 パンフに戻ることにする。レイクルイーズ・ジャンクションから1時間半近く走っただろう。時速100キロとして往復300キロ無駄に走ったことになる。カナダでは曲がり角を一つ間違えるとこういうことになる。途中、我が女房殿が「せっかく国際免許を用意したのだから運転させて」と言う。 「ご尤も」と交代する。暫く走ったが怖くて助手席に座っていられない。程々の所でお願い申し上げて再び交代する。

コロンビア大氷原地図
 道を間違えた原因は、一言でいって事前調査の不足。ガイドプツク「地球の歩き方」の地図で説明する。アイスフィールドパ一クウエイ(上図)では、バンフからからジャスパーまではほぼ一直線である。それで「道なりに行けばいい」と思い込んでしまった。カナディアンローキー交通図(下図)を見ると一本道ではないことがよく分かる。しかし、こちらはチラリと見ただけで、よくは読まなかった。それと、地図の説明に 「1号線から93号線に入る」とは.一言も書いてなかった。
 もっと言わせて貰えば、地図は北を上にするもの。上図は反対になっている。ガイドブックを頭から信用してはなりません。このように結構間違いがある。

 更に.カナダの道路標識の行き先表示は極めてシンプルで、町の名前しか書いてない。 「ジャスパー」の表示と一緒に「 → Columbia icefields」と書いてあれぱ間違えることはなかっただろう。しかし色々言い訳はあるが、実はこれ、ボケ始めた証拠かもしれない。家内の眼鏡騒ぎを笑ってはいられないかな?
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