08.06.08 烏 江
武隆国家地質公園
武隆国家地質公園。烏江が穿った深い渓谷。
5/11
 話が前後しますが実は私、楽山の後、成都経由で「ろう{門+良}中」に行きたかった。前にNHKハイビジョンの「街歩き」で見て印象が良かったから。そう提案したのですが、それだと遠回りになるので上海15日着の予定が危なくなる。次回にして下さいと却下された。次回があるかどうか怪しいのだけれど、まぁ止むを得ない。「その代わりに張家界に行きましょう」とA氏。A氏自身は既に2回行った。しかしS氏も私も未だ行っていない。それに東に走るので帰る道順になる。じゃそうしようか。そういう次第で、今日は張家界目指して走ります。

 そのルートですが、武漢へ抜ける高速は未通の筈。貴陽経由の高速は遠回り過ぎるという判断で、武隆→彭水→黔江→龍山→永順→張家界の一般道を選択しました。ほぼ東へ一直線。最短距離であることは確か。けれども省境を二つも越える。これはかなりハードなドライブになる。

 7:30出発。高速を1時間半。重慶市ふ陵区で国道319号に入ります。ここから道はズーッと烏江沿いです。
烏江
 烏江は、Wikipediaによれば古くは黔江(けんこう)。貴州省西端の畢節地区に発し貴州省を東西に貫き、銅仁地区で重慶市に入り、ふ陵区で長江に合流する。全長1037km。そうか。銅仁市で見た綺麗な川は烏江だったんだ。
(左)水量豊富。何百トンかの船が往来しています。この辺りの交通の大動脈なんでしょう。
 途中、武驍ニか彭水とか地図に載っている町以外の所に平地はありません。両岸切り立っている。トンネルが多い。トンネルでなくても岩がover hangになっている所が多い。どちらもコンクリで固めていません。削ったまま。よほど岩が硬いのでしょう。
 そんな道の脇に若い娘が立っていたりする。エッ!と思います。後ろに回ったら尻尾が生えているのではないか。小さい沢があって、多分その奥には人家があるのでしょう。そして町へ出るためにバスを待っているのでしょう。こういう時、本当に中国の奥の深さを感じます。
(右)高速公路工事。山の深さをご覧下さい。
高速公路工事−1
高速公道工事−2
 工事ですが、(私は素人ですが)日本の同程度の工事に比べて柱などが細いような気がします。けれども、ここまでやれるんだから土木技術は相当なレベルなのだろうな・・・と察します。
高速公道工事−3
カルスト地形
(左)黔江区の手前で。ここは貴州、湖南、湖北の省境に近い。

(右)たった一人で田植えをしていた。この辺は土家族地域のようでした。
たった一人で
 黔江区の路傍の小店で昼食。色々出た中で炒めた空豆の一皿がとても美味だった。今回あちらこちらで食事しましたが、中国は田舎の名もない店の料理でも結構おいしい。当たり外れが少ない。私などは焼け跡闇市派。悲しい性でどちらかというと腹が膨れればいいという方。ところがこの国の人は庶民でもウマイマズイと殊の外味にこだわるようで、だから田舎の店でも不味ければ潰れる。小店でも精進しなければならない。美味しい所以はそういうことではないでしょうか。
 
 ここまで約4時間。距離にして300km以上は走っている筈。それでも未だ重慶市域内です。まぁホントに中国は広いワ。でもここまでは未だ楽だった。ここから長い上りになります。峠を越えて湖北省に入る。省道202号が232号に変わった。山を下る。長い。くねくね曲がる。道が悪い。オチオチ寝ていられません。

 やっと咸豊を抜ける。名前から察するに昔は塩の産地だったのか。今度は省道248号に変わる。変わるのは番号だけ。道は良くなりません。地図で見ると次の来風まですぐのようですが、何しろ曲がりくねっていますからなかなか近づかない。やっと来風に着く。ここで恩施から下ってくる国道209号に入る。そして湖南省に入ります。間もなく龍山。

 後でMLのお友達野良猫@長野さんに伺いました。毎年ここのダムに(いるかどうか分からない)大ナマズを釣りに来る。現地交通用にバイクを買われ、それをここのバイク店に預けておられるとか。前もってそれを聞いていたら私がその店に行って、未だそのバイクがあるかどうか安否を確かめてあげたのに。ともあれ今日は日曜日。町は人でごった返しておりました。

 ここからがまた長かった。険しい山でした。周君は慎重な運転をする。それはいいのだけれど、カーブで膨らむ癖がなかなか矯正できない。A氏は「コーナーにギリギリで入れ」とうるさく言っているのですが、そうやってもまだ膨らむ。私に言わせればブレーキの使い方が悪い。エンジンブレーキを全く使わない。カーブ直前でフットブレーキを踏む。それだとブレーキの効きが遅れる。その上車体が揺れます。不安定になる。彼が運転している時何回もそれを言ったのですが、どうも理屈が分からないらしい。車に無理が掛かるのでは?などと言う。

 ちょっと横道に逸れます。昔、日本の対中ODAが始まったとき、中国側の要請で日本はトラック・バスを贈った。そのトラック・バスがすぐ壊れる。日本は不良品を送って寄越した。中国を馬鹿にしているんだ。そういうクレームが来た。日本側は驚いて直ちにメーカー社員が中国に飛んだ。調べて見ると原因はまず、道路が日本とは比べようがないくらい悪い。次ぎに、中国人はエンジンブレーキを全く使わない。ガタガタ道を矢鱈に飛ばし、矢鱈に急ブレーキを掛ける。だから日本の道路を想定して作られた車体が保たないわけです。それで以後中国に送るトラック・バスは,シャーシーからフロントガラスから特製にした。そして運転技術、特にエンジンブレーキの使い方を教えたとのこと。

 それやこれやを総合すると、どうも中国では自動車を転がせればそれだけで免許を与えるようですね。エンジンブレーキの使い方や、曲がるとき停止するとき横や後ろに注意せよなどという基本的なことを教えていない。C君や周君の運転振りからそれがハッキリ見てとれます。

 龍山からの下りはきつかった。本当のヘヤピンカーブの連続。日も暮れた。A氏が「オレが運転する」と代わります。流石にうまい。タイヤがキキキキキッと鳴るけれど怖くはない。私も運転歴60年。中学生のときから(無免許で)運転している。安全運転なら多少の自信はあるけれど、こういう運転は出来ない。感服しました。

 しかしこの下りは長かったですね。どこまで行っても人里に出ないのではないか。そんな気がし始めた頃、向こうに永順の町の明かりが見えたときは本当にホッとしました。この時間ではもう張家界まで行くのは無理。永順に泊まることにします。

 20:30永順着。埃っぽい雑然とした町。市中心の郵政賓館に投宿。100元。
 本日の走行距離 567km。(累計 6875km)。
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