14.家内の来海
体操
西部の公園。早朝ここに市民が集まり体操をしています。家内はこのグループに入れてもらいました。

 4月の中旬だったと思います。日本から家内がやって来ました。まだ浦東空港が開港していなくて虹橋空港着。迎えに行くのに学生に同行してもらいました。帰りのタクシーがちょっと気になる。桂林路。発音はGuilinluかな?  比較的簡単な音だと思うのですが、私の発音が通じないことが間々ある。それと相手が「分った」と言っても、そのまま黙っていると遠回りされることがある。悪気ではなくて、意外に道を知らない運転手がいるんです。最短コースを指示しなければならない。それで学生を連れて行った。今なら一人で大丈夫ですけれど。

 班長のHと後に次ぎの班長になったSが一緒に行ってくれることになった。当日、待ち合わせの外賓楼ロビーにその二人が花束を持って現れたのでビックリ。私は焼け跡闇市派。そういうセンスは持ち合わせていない。今までに誰かに花束贈ったこと一度もない。やっぱり中国人って外交的センスがあるんだなぁ・・・と思った。それとも若い女性なら、どこの国の女性でもそれくらいの気配りはするものなのだろうか。ま、兎に角、花束付きの出迎えを受けた家内はご満悦でありました。

 最初からある程度予想していたことですが、家内が来て万事happy ! かと言うとそうではない。私が授業がない時は一緒に連れて歩けますが、授業があるときは家内は一人で部屋に居るか、どこかへ出掛けるなら一人で行かなくてはならない。これはやはり問題。近くの桂林公園へ趣味の写真を撮りに行って、忽ち物乞いの小さな子供にしがみつかれたらしい。振り切って逃げて来たようですが、もう一度でもそういう目に合ったら、とても一人で遠くには行けません。さりとて部屋に籠もっていたら退屈する。結局長くは居られないということになる。このときは5月の労働節休みに桂林へ行くことになっていましたから、それまでは退屈しても我慢するしかない。

 家内は体を動かすことが大好き。早朝散歩に出ているうちに、構内の公園でやっている体操グループに入り込んだ。眺めていたら誘われたのだそう。「・・そう」というのは、私はその時間まだ寝ていて一緒に行っていなかったから。何でも昔日本語を勉強したというおばさんが一人いたそうで、みんな親切だったとのこと。そして、昼間は同じく構内の運動場のトラックを走って汗を流していました。

デイト
 家内は何しろ退屈ですから、部屋に居るときはしょっちゅう窓から外を見ている。窓の下に公園があります。その一角に時々カップルが現れる。多いときは4組も5組も現れる。そして勿論、大方は楽しそうにしゃべっていますが、中には抱き合ってジッとしているのもいる。
(写真)これは東部の公園。左の隅にカップルがいます。

 家内はそういうカップルを見付けると、「ねぇねぇチョット来て。見て見て。あの人達熱烈よ」と騒ぐ。私なんか、そんなことどうでもいいんじゃないかと思うんですけれど、女性ってそうじゃないみたいですね。潜在的に羨ましいと思っているのかな?  私がそういうことしないから。しかし、それにしても中国の若者は・・・何と言うのが適切なのでしょう?  堂々としていると言うべきか臆面がないと言うべきか、はたまた微笑ましいと言うべきか。昼間から半時間でも1時間でも抱擁して動きません。

 ちょっと横道に逸れます。桂林へ行って来たら家内は日本へ帰る。そこで、早めに帰りのreconfirmをさせた。そしたら驚いたことに「席がない」と言われた。日本でオープンで買って来た中国東方航空のチケットです。帰国予定日を二、三日ずらしても「無い」と言う。そして「ビジネスなら空いている。ただし500元プラスです」と。前に私も、バンコックで買ったオープンの戻りのチケットで「向こう2ヶ月席はない。ビジネスならある」と言われた。これも東方航空。当然割増金を取られます。それが馬鹿馬鹿しくて、結局そのチケットは捨てた。阿漕な商売しやがると思いましたが、家内はどうしてもその辺の日に帰らなければならない。仕方なく、500元払ってビジネス席で予約した。ところが、それから間もなく家内の母親が急死。すぐ東方航空に電話したらエコノミーで席が取れ、それに乗って家内は急遽帰国した。その際「払った500元を返せ」と言ったけれど、「お客さんの都合でフライトチェンジしたものは返せない」と。丸々500元損した。東方航空は上海が本拠。どうもすることがガメツイ。上海流商法じゃないかという気がします。

 そういうことで家内は予定していた桂林へ行けなかった。既に国内便のチケットを買ってあったので、やむなく家内の分だけキャンセルして私一人で行きました。そのチケットを買うのには、私まだ上海の事情が分らないので、外事処にお願いした。その為にT副処長を訪ねたら、「人事異動があって外国人教師担当は今度この人になりました」とP副処長に紹介されました。Pさんも50歳くらいですが、男性です。で、この人に航空券業者の店に連れて行ってもらったのですが、何で異動があったのか聞きましたら、「学長が替わったから」と言う。なんでも学長が替わると、一斉に事務局の全ポストが交替する慣習なのだそうです。

 そのときは「はあ、そうなんですか」で終わった。ところが後に、この学長の交代には大事件が絡んでいたことを知ります。それはまた次の機会にお話ししましょう。
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