2. 宿舎・外賓楼
外賓楼
宿舎・外賓楼の正面。
1F 受付、レストラン
2F 留学生宿舎
3F 留学生宿舎
4F 留学生宿舎
5F 招待所
6F 外国人教師宿舎

エレベーター 1基

 宿舎は大学構内の外賓楼。中国では職住近接が普通なんですね。この国ではちょっと前までは商店から何から全部国営だった。繁華街の商店なんかはどうか知りませんが、大抵の国営企業はみんな、職場に宿舎がくっついている。だから、日本のように外から通勤する方が彼らからするとおかしい。上師大もその例に洩れず、教職員は殆ど構内の職員用宿舎に住んでいます。更に託児所も病院もありました。

 外賓楼は外国人専用宿舎です。何故外国人だけを別に囲うのか?  中国は一般に住宅事情が悪い。だから外国人には専用の宿舎を用意しなければならかった・・という理由が一つ。もう一つには、なるべく外国人を一般民衆と接触させないという狙いもあるのではないか。これには二つの面があって、一つは外国の悪い思想に触れさせないこと。二つ目は犯罪から外国人を守るということ。まぁそういうことで、教師だけではなく留学生もここに収容する。これはどこの大学も同じです。費用負担ですが、留学生の殆どが私費語学留学生。彼らは部屋代を払います。交換留学生と教師は部屋代免費。徴収されるのは電話料だけでした。

 私にあてがわれたのは6階の北側の一室。上の写真左に窓が見えます。12畳くらいの書斎兼居間と、10畳ほどの寝室。それにバスルーム。物入れの棚。キッチンはありません。書斎には机、応接セット、冷蔵庫が、寝室にはツィンベッドとTVがありました。
(部屋の見取り図はこちら)

 一夜明けて、7時半頃でしたか。大音響のマーチで目が覚めた。その後平日には毎朝これが鳴り響いた。あまり聞いたことのない曲なので私、上師大プロパーのマーチかと長い間信じておりましたが、厦門の今の宿の隣が中学校。ここでも同じマーチが鳴り響く。井上@上海さんの話では「我愛中国」という曲らしい。井上さんのお宅も隣が高校で、毎日その曲が流れているそうです。
外賓楼食堂
 さて、脱線してしまいましたが、まず朝食。1階のレストランに行ってみた。お客はこのとき、一人もいなかった。「アレッ! 営業していないのかな?」と思った。でも係の小姐が一人。何も分らないからお粥を注文。
  漬け物、腐乳、ピーナッツの小皿が置いてあって、好みでそのどれかを付けて4元。ミルクも頼むと5元。腐乳には初めてお目に掛かった。お粥は薄くてもう殆ど重湯。私は既にJ市で中国を経験しています。お粥は何杯もお代りできるのですが、それにしても4元は高い。その理由は、その後次第に分ってきました。

 U主任が打ち合わせにやって来た。3年生の作文と商務日語と日本事情を受け持ってほしい。授業は明日から。朝8時始業だから、8時前に校舎前で会いましょう。教室へご案内します。「校舎はあそこです」と窓からかなり離れた所の一角を指差す。建物が何棟も見える。そのどれかと聞いても「ほれほれ、あの屋根が三角でしょ。あれです」と言う。そんなこと言ったって、みんな三角屋根じゃないの。なんだかこの人、日本語科の主任にしちゃ心細い人だなぁ。

 三角屋根の校舎。旧陸軍の兵舎によく似ています。煉瓦造りの三階建て。細長い。校舎は殆どがこれ。たまに鉄筋4階、5階建てのもありますが、それは新しく建てたものですね。新しい建物の方が綺麗に見えそうなものですが、私の目にはこの古い二階建て、三階建て校舎の方がシックリ来る。それは校舎の周囲に樹が多いから。プラタナスの並木や水杉の植え込みがあって、煉瓦のくすんだ色の方が新しいビルの白っぽい壁よりも木々の緑に映えるんですね。

 外事処のT副処長が部屋に来てくれた。50がらみの女性です。外国人教師の担当だと言う。「何か問題がありますか」と聞かれたから、早速「昨夜バスにお湯を入れたら黄色いお湯が出て、底に鉄錆みたいな砂みたいな物が溜まった」と苦情を言った。そしたら「ここは中国。日本と同じように考えないでください」と言う。もうこの一言で、先が全部読めたような気がしました。会話は英語。「すぐ隣の国際交流学院に外事処のオフィスがある。そこにいますから、何かあったらいつでも来て下さい」と言って帰った。物腰柔らかな感じの良い人でした。

 この外賓楼5階にいる外国人教師は殆ど英語の教師。カナダ人、オーストラリア人、アメリカ人だそう。日本人は私がただ一人。だから外事処の人はみんな英語ができるのでしょう。

 居間を見回す。広さはまぁまぁですが、お世辞にも綺麗とは言えない。まず、カーペットが汚い。黒ずんでシミだらけ。壁紙も茶色に塗ったベニヤ板も薄汚れている。そして壁際に冷蔵庫や電話、TVのコード、ケーブルが丸見え。窓のサッシが斜め。だから三角の隙間があります。極め付きは隣の寝室へTVのケーブルを通している穴。日本ならばパイプで通しますよね。ここはパイプ無し。壁に鼠が二、三匹並んで通れそうな穴を開けて、そこにケーブルを通してある。壁芯の煉瓦が丸見えです。しかし、寝室はまぁまぁ。寝室では飲食をしないからでしょう。

 おそらくこの外賓楼は古い。電話はどこに、冷蔵庫はどこに・・・なんて考慮は全く無しに造ったものでしょう。サッシは国営企業の製品では?  それとも建築業者が国営企業だったのか。国営企業は親方鉄の飯碗。格好だけ付いていればそれでいいという時代に造ったものに違いない。部屋代タダだから古くてもまぁしょうがないか。
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