22.  家内の歓迎会  1)生徒の歓迎会
 10月4日(日)の夕方6時。生徒有志による歓迎会ということで、家内を連れていつもの教室へ。生徒が初級、中級合わせて20人くらい。O先生他のスタッフも集まって一応頭数だけは多く賑やかではあるものの、間がもたなくて困った。家内が何か挨拶らしいことをしゃべり、生徒代表が歓迎の辞を述べたらもうすることがない。

 R氏が座をもたせようとして歌を歌えとか、盆踊りを踊って見せろとか私と家内に言うんです。驚いたことに浴衣を用意してある。仕方なく私が炭坑節を歌い、家内がうろ覚えの踊りを踊る。Yを先頭に二、三の生徒が後ろに付いて真似をするが、お手本が自信なげだから長くは続かない。家内はフラメンコを習っています。ちょっと踊って見せたけれど、これも伴奏がないし、衣装も普段着だから盛り上がりません。結局1時間くらいでお開きに。

 家内来中が決まってR氏が歓迎会を・・と言い出したとき、私はそんなことは止めてくれと言いました。家内は私の授業には関係ない。それに対してR氏は「(生徒は)皆日本人と交流したいんです」と言う。そう言われて仕方なく応じたのですが、案の定何だか幼稚園のお遊戯会みたいな締まらないものになりました。今回つくづく思ったこと。日本語教師を志す者は踊り、歌、楽器の一つや二つ、手品、紙切り、その他何でも身に付けておくべき。芸は身を助ける。無芸というのはこういう時に本当に困ります。真面目で熱心だけが取り柄というのではまぁ精々70点どまりですね。

 2)科技交流中心の歓迎会
 翌5日夜。今度は科技交流中心が歓迎会をして下さる。正確に言うと、外事処プラス科技交流中心なんですが。場所は市内のレストラン。今までにこの滞在記に登場済の連中(O先生、Sさん、小O、R氏、L氏、小X、小Z)の他、C氏とW氏というスタッフも参加。ちょっと説明が必要ですね。科技交流中心というのは役所に付属していながら役所ではない。役所の役人はO、S、小Oの3人。R、Lは民間人で顧問。小X、小Xはこの日本語クラス限りの臨時雇い。CとWの両氏は共に40才近い男性で科技交流中心のスタッフです。常時Sさんなどと同じ事務室にいるのだけれど、身分は役人ではないということでした。給料は科技交流中心から出る。科技交流中心の収入源は外国文献の翻訳料、招請外国技術者による技術指導の仲介料などとのこと。さしづめ私の日本語クラスは新しい収入源と期待されていたのでしょう。

 W氏は一度ポーランドから鰻の養殖技術者を招請した際、そのattendで約10日ほど出張したことがあります。彼は英語ができる。日本語も少しできる。C氏はいつも新聞を読んでいるか、別室のパソコンでゲームをやっていた。彼が仕事らしい仕事をしているのを見た記憶はありません。W氏は時々「いつも新聞を読んでいるだけの人と給料が同じだ」とぼやいていました。C氏はバックに有力なコネがあるようでした。どちらも大学卒で、私には非常に親切にしてくれました。この他にもう一人、私と入れ替わりに、上海の復旦大学へ英語の勉強に派遣されたZという若い女性がいました。これだけのスタッフの給料を、本当に翻訳料その他の収入で賄えているのだろうか。時々疑問に思ったものです。

ところで、レストランの晩餐は本格的な中華料理。中で一番の目玉はスッポンの甲羅です。蒸したものが主賓に・・と、そのままの形で出てくる。熊の足は知っていましたが、亀の甲羅を食べるとは知らなかった。さすがに腰が引けましたね。無理やり食べさせられた。まず、縦に割って半分を家内に。端の方はゼラチン状で柔らかいから何とか食べられますが、中心に近くなるにつれて固くなり、歯が立たなくなります。そこで横の筋に沿って割り、中の髄を啜るのだと周りがコーチする。決しておいしい物ではありません。いい加減のところで止めたら、「アーア先生勿体無い」と嘆かれた。しかし後で腰痛が少し軽くなったような気がしました。

 O先生が率先してカラオケを歌う。北国の春。話に聞いていたとおり、この曲は
中国では非常にポピュラーです。家内も私もお付き合い。R氏は座持ちがうまい。上手上手とおだてられ、家内は何曲も歌う。彼女は元々カラオケが好きだからいいけれど、私は大嫌いで、いつも逃げて回る方だからこういうのは苦痛。世にこんな無用なものが流行るのはよくないですね。こういう商売には重税を課すべきです。
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