5. 開講まで 郵電局 市内の郵便局。電話は別に中国電信があるんですが、何故か「郵電局」となっています。

 8月28日(金)。事務所でS、小O、R、Lの各氏と初めての打ち合わせ。なお、O氏が三人もいて紛らわしい。これからSさんの部下のO氏は小Oと呼ぶことにします。

 まず初級、中級の選別はどうするか。Sさんは鎌倉で、故T先生に初級を教わった生徒がいるから、その連中を中級として教えてほしいと言っていた。その連中が相当数来ると彼女は踏んでいたようだ。ところが蓋を開けてみたら、説明会に出席した該当者は一人しかいなかった。にもかかわらず、他に中級希望者が相当数いると言う。

 事情がのみ込めない。中級クラスをやるのは構わないのだけれど、その中級希望者というのは一体どういう連中なの? よくよく聞いてみたら、J市だけでも何軒か日本語塾みたいな所があるのだそうな。ただし教師は中国人。中国人だと発音が良くない。だから是非日本人の先生に付きたい。しかし既に初級は修了している。もう一度初めからというのは嫌だと、そういうことらしい。「へえ!こんな町にねぇ」。日本語熱にただただ驚くばかりである。結局、選別基準は本人の意志、つまり希望者は誰でも入れるということにした。本人が ”やっていける”というならそれでいいじゃないの、ということだ。

 時間割は月、水、金が中級。火、木、土が初級。このうち土曜日だけL氏が受け持って文法の説明と単語の予習をする。残りは私の受け持ち。時間は夜7時から9時半まで。鎌倉では月〜金という話だった。しかし2クラスを1週に同時間数やるとなると土曜日を休みにはできない理屈。行きがかり上やむを得ない。「全部やりましょう」と言ったのだが、R氏が「それでは労働基準法違反になりますから」などと意味不明なことを言って、土曜日をL氏に割り振った。この人まだ正体不明だけれど、なかなか思いやりのある人のようです。

 次いでSさんから待遇条件の提示。給料が月1千元。宿の家賃は1千5百元だが、これは市政府持ち。用意できる最高の宿だと強調する。確かにいい宿には違いない。だがあまり恩着せがましく言われても困る。こちらが選んだわけではないのだから。それより何より鎌倉では給料1千5百元と言っていたのに、到着したら1千元とは何事? 「話が違う」と言ったら、Sさん「1千5百元と言った覚えはない」と言う。鎌倉では通訳のCさんがこう言った。「一般家庭の月収は大体1千元です。その50%増しですから悪い報酬ではありません」と。CさんはJ市の人ではない。何で他市のCさんがJ市のSさんと一緒に鎌倉に現れたのか分からないのだけれど、取りあえずここにはいない。当の通訳を抜きにして「言った」、「言わない」とやりあってもしょうがない。金のことで揉めるのは嫌い。まして相手は中国。来るについては贖罪の意味もあったから、「じゃあいいですよ」と引き下がる。

 
次に食費。大家さんの提示額は、三食で月8百元だと言う。「えーっ?」。既に鎌倉で
賄付きと頼んである以上払うのは当然ながら、千元の給料から8百元引かれたら、あとはどうして暮らすのよ。「では外食にします」と言うと、「それはもっと高くなる」とSさん。結局、Sさんがもう一度大家さんと交渉することに。Sさん私の経済をどう考えているのか? 「これはまたフィリピンの二の舞かな?」と嫌な感じがする。

  最後に、私の行動について。まず、授業で政治的な話はしないでくれと言う。はい、異存はありません。次に、外出には必ず小Xを帯同すること。小Xというのは私のアシスタントとして今回雇った若者(上の写真)。20歳の学生です。「日本語を2年間勉強したそうだから役に立つと思います」とのこと。はい、有り難う。でも私は一人でも大丈夫ですよ。「いや、一人はダメ」とSさん強硬。なぜですか? 何が起こるか分からない。「そうかなぁ?」と首を捻ると、横からR氏がSさんに中国語で何か言う。数度のやりとりのあと、R氏が私に向かって日本語で、「散歩もダメなの?と聞いたら、半径5百米程度の範囲なら・・と言っている。バカバカしい。これだから共産党は嫌いだ」と憤慨の体である。うわぁ、この人凄いこと言わはるワ! ここは中国やでぇ。

TOP  前頁 NEXT