01.06.27  九寨溝-1
民族衣装
九寨溝賓館の歓迎スタイル。鳴り物入りです。後列右の男性はAさん。

 中央分離帯がある広い道路を走ります。道路表示板に「広元○○Km」とある。幾らも走らないうちに左折。今度は田舎道。でも舗装はされている。所々川沿い。その川が日本の川のように綺麗でした。山に入ったからでしょう。平武という町に入り、ここの報恩寺に寄ります。

 このお寺相当な結構ながら、かなり草臥れている。伽藍は古いし前庭にも屋根にも雑草が。お寺の維持は日本でもなかなか大変らしい。有名なお寺なら観光収入がある。京都・祇園の一番の上得意は坊さんだそう。無名寺は檀徒の葬式か法事に頼るしかない。余計な話ですが、末寺は本山に上納金を課せられている。だから収入が少ないお寺は大変だそうです。中国では私の見るところ、仏教より道教の方が民衆に支持されている。この報恩寺はこの様子だと、きっと有力な檀徒も観光収入も無かったのでしょう。

 ところでお寺の名前ですが、境内の石碑を見ると、明代に皇帝から何かの恩恵を受けたため報恩寺と改名したとある。由緒のあるお寺のようでした。古い堂内に小振りな仏塔があって、これが回せるようになっている。マニ車を大型にしたものですナ。これが記念の絵葉書付で一回10元。回すとキーコキーコという。今にも壊れるんじゃないかとハラハラしました。

 再びバスに。初めは川沿い。やがて川が見えなくなりグングン高度を上げていきます。それに伴って植生が変る。そのうちに何となく気持ちが悪くなってきた。乗り物酔いとはチョット違う。息苦しい感じ。学生時代、乗鞍岳に登ってこんな感じになったことがある。そのうちに峠を越えた。今度は一気に下ります。気分も徐々に回復。あとで聞いたらその峠、高度3,200mとか。そんなに高いわけではない。でも一気に駆け上がったから軽い高山病の症状が出たのでしょう。他にも少数ながら、気分が悪くなった人もいたようでした。

 バスはドンドン飛ばします。総勢28人くらいですから大型ではない。まぁ中型というんでしょうか。途中でトイレ休憩。その間に運転手は車輪に水を掛ける。何とバーンという爆発音と共に濛々と蒸気が立ち上ったのには驚いた。ブレーキディスクが焼けているんですね。こういう長い急な下り坂ではエンジンブレーキを多用するのが鉄則。さもないとディスクが焼けてブレーキが効かなくなる。ドライバーとしての最低の常識を弁えていないんですね。怖くなりました。中国内で旅行するなら傷害保険の付保を忘れてはなりません。

 横道に逸れますが、日中国交回復後、経済援助として日本からトラックが贈られた。そしたら「すぐ壊れる。日本は呉れてやるものだからと不良品を送ったのだろう」とクレームがついた。すぐ調べたら例えばフロントガラスとか、日本では考えられないような部分が壊れている。いえ、跳ねた石で割れるのなら分かりますよ。そうではなくて、自然に割れるんだと。それで実際にトラックに同乗して使わせてみた。そしたら滅茶苦茶な運転をする。悪路を構わずブッ飛ばす。矢鱈急ブレーキをかける。それもフットブレーキしか使わない。エンジンブレーキってものを知らないらしい。そこで、「こう運転するんだ」と教えた。でも、「そんなまどろっこしい運転なんかできるか」って言われたそうです。仕方がないから、それからは中国向けの車には強化資材を使うように改めたと聞きました。

 かなり下って地形は渓谷になります。人家の形が変った。写真が無い(撮らなかった)ので説明が難しい。兎に角漢民族の家ではない。チベット系です。九寨溝に入ったのです。この九寨溝、読んで字の如く、九つの谷があるんだそう。そうでしょうね。渓谷に入ってから随分走りましたもの。途中でちょっとした集落があり、「九寨溝電力○○」という建物がありました。「ああ、やっと着いたか」と思ったら飛んでもない。そこからまだ2時間ぐらい走った。中国は広いよ。もういい加減にしてくれっ! って言いたいくらい広い。

 突然左手にバスやら自家用車やらの駐車場が見え、それを過ぎたら川沿いに大小のホテルの行列。なんか見たことあるような景色。そうです。鬼怒川温泉に似ている。やっと着いたと喜んだ。いやいや。それは糠喜び。中国は一筋縄じゃいかないんだってば。あんたも甘いね。ホテル群を尻目にまた可成り走り、やっと止まったのが黄龍寺だったかな?  ラマ教のお寺です。中は暗かった。目をこらして見てみると、あの変テコリンな布切れをまとった坊さんが沢山座っていて、こちらをジッと見ている。何か気色が悪い。外側の回廊とマニ車の列が新しかった。このところの九寨溝ブームでお賽銭が増えたからでしょう。それはいいけど、あのバター油の匂いは嫌ですね。調子が悪い人はきっと吐きたくなりますよ。

 来た道を戻り、やっとこさホテルに。名前は九寨溝賓館だったかな。三星だそう。見た目は立派。でもエレベーターが無い。部屋は三階。上るのに息が切れました。3000mは切っていると思いますが、しかし相当な高地ですからね。その他、確かお湯が出なかったような記憶があります。それから食事がまずいです。もう中華圏じゃないんです。何か食料を携行するのが賢明です。
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