02.10.03  媽祖の本山
マソ廟から海を見る
 この項には井上@上海さんのコメントをいただきましたので下に添えました。

 古代人です。昨日、媽祖の本山メイ(シ+眉)洲島へ行って来ました。

 媽祖ってご存じない方も多いかと思います。実在の人だった。福建省プー(蒲からシを取る)田出生。林黙娘という名前。幼時から怜悧。学問もでき、女性ですが若くして道教の修行者か何かそういう方向に進んだらしい。日頃から非常に誠実かつ献身的な人で周囲から尊敬されていた。あるとき島の沖で船が難破した。媽祖が駆けつけて草一握りを海中に投じたところ忽ち波静まり、乗員は助かったと。まぁそのような神仙的伝説が沢山ある人で、最後はメイ洲島の山に籠もった。多分そこで亡くなったのでしょう。それでそこに神として祀られた。福建、台湾一円に天后宮というまぁ道観みたいなものが沢山ありますが、これは媽祖を祀ったもの。言うなればみんなメイ洲島媽祖廟の分家です。海難救助の伝説から取り分け海上安全の守護神とされており、その点で日本の金毘羅様に似ています。

 上に書いた事績は後から調べたこと。私が前から知っていたのは名前と、中国南方で特に海の神様として信仰されている事。それから媽祖島というのがあって、そこで年に一回お祭りがあり、台湾からも大勢の信者が押し掛けるということぐらい。実在の人だったとは知らなかった。それは兎も角、その媽祖島がそんなに遠くないと知り一人で行くつもりでしたが、その前々日の生徒達との飲み会でチラッと計画を話したら「一緒に行きたい」と言うのが3人も現れ、結局4人で行くことになりました。

 朝10時、南山長途汽車站で白タクを掴まえて出発。田舎から厦門空港へ客を送って来た社用車が帰りに客を拾うんです。運転手のアルバイトなんですね。
 
 最初聞いた話では「厦門から高速バスで泉州の先プー田まで約2時間。その近く」ということで、気楽に考えていました。行って見たらとんでもない。プー田からまだ40kmもある。どうも私は日本の感覚が抜けない。「近く」と言われると、精々2~3kmくらいと考えてしまう。40kmというと10里。結構あります。現地プー田出身の人が一緒でよかった。

 プー田という土地はこの辺では何か特殊な土地みたいです。山が海に迫っていて昔は生活が成り立たない土地だった。それでみんな外の土地に出て行った。計算高くて、中国のユダヤ人と言われたのだとか。日本で言うと甲州商人・江州商人でしょうか。

 方言がきつい。私は細かい点までは分かりませんが、中国人同士の会話を聞いていて話のテーマが何かくらいの見当はつく。その程度の聞き取り能力はあります。ところが、運転手の携帯に電話が掛かって話しているのを聞いていて、一言半句も分からなかった。ただ、何となく半濁音が多いように感じただけ。

 以前、司馬遼太郎の本(みん南・蜀の道だったかな?)読んでいたら、「福建では一山越えたら言葉が通じない」とあった。それ読んだときは「ホンマかいな」と思った。しかしそれはホントでした。同行3人のうち、プー田出身の人以外の西安と福清出身の人は「全然分かりません」と言っていました。福清ってプー田の隣の町なんです。そこの人でも分からない。

 余談ですが、福清市ってどうも蛇頭の根拠地らしい。ここの人はみんな「厦門人は悪くない。福清人は悪い」と言います。まぁどこでもそういうことを言いますね。
  長くなりますので、続きはまた明日。


Subject: [china-travelml:25272] RE: 媽祖の本山・中国人の「近い」は「遠い」
Date: Thu, 3 Oct 2002   

  古代人さん、皆さん、早上好、井上@打浦橋@上海です。

> 一人で行くつもりでしたが、その前々日の飲み会で計画を話したら一緒に行きます
>というのが3人も現れ、結局4人で行きました。


 さすが、古代人さん、スグ仲間引き込んでしまう。

>「近く」と言われると、精々2~3kmくらいと考えてしまう。40kmというと10里。結構あり
>ます。現地プー田出身の人が一緒でよかった。


 中国人の「近い」は日本人の「遠い」です。私も、何度も失敗経験あり。具体的な数字で言ってくれればイイんですが、偏遠、遠、不太遠、不太近、近、偏近という表現しかしない人が多いですね。それに「偏近」と言っても、我々の感覚からすると「近い」うちに入らない。

> プー田という土地は何か特殊な土地みたいで、山が海に迫っていて昔は生活が
>成り立たない土地だった。それでみんな外の土地に出て行った。計算高くて、中国
>のユダヤ人と言われたのだとか。日本で言うと甲州商人・江州商人でしょうか。


 まあ、早い話が「嫌われ者」(ユダヤ人さん、ゴメン)ということですね。(ついでに、甲州人さん、江州人さん、ゴメン!!)

> 方言がきつい。私は細かい点までは分かりませんが、中国人同士の会話を聞い
>ていて話のテーマは何かくらいは見当がつく。その程度の聞き取り能力はあります。
>ところが、運転手の携帯に電話が掛かって話しているのを聞いていて、一言半句も
>分からなかった。ただ何となく半濁音が多いように感じただけ。


 半濁音が多いということは、「つば」が飛んできそうですね。

> 以前、司馬遼太郎の本(みん南・蜀の道だったかな?)読んでいたら、「福建では
>一山越えたら言葉が通じない」とあった。それ読んだときは「ホンマかいな」と
>思った。しかしそれはホントでした。同行3人のうち、プー田出身の人以外の西安
>と福清出身の人は「全然分かりません」と言っていました。福清ってプー田の隣町
>なんです。そこの人でも分からない。


 その本、「中国・ビンのみち」(「ビン」は門構えに「虫」)じゃないですか。私の本棚にありますが、これは古代人さんに頂いたものです。

> 余談ですが、福清市ってどうも蛇頭の根拠地らしい。ここの人はみんな「厦門人
>は悪くない。福清人は悪い」と言います。まぁどこでもそういうことを言いますね。

 長楽県という所も蛇頭が多いとか。「続き」楽しみにしています。
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