3. カトマンズ ロイヤル ネパール ドンムァン空港からこの機に乗りました。ちゃんと飛びました。
 再びバンコク・ドンムァン空港。Royal Nepal チェックイン カウンター前。前に並んでいたネパール人に、「預ける荷物が多いので、一つだけあなたの荷物ということにしてくれませんか」と頼まれた。中身がもし密輸物件なんかだったりすると厄介だから、ハッキリと断った。そしたら「魚が入っているだけなのに」とぼやかれた。それにしても、生まれて初めて会ったネパール人が多少たどたどしいにせよ、チャンと意味が通じる日本語を話すのには驚いた。

  Royal Nepalのスチュワーデスはチベット風の民族衣装を着ていて、揃って若くありません。スチュワーデスの年齢と事故に相関関係はないだろうけれど、なんとなく心もとない。そうか。薹が立つほど乗っているということは事故がない証拠か。反対ですね。安心していいのだ。

 機内空席多し。離陸して機は西に向かう。やがて西北へ転針。私は旅行の時、いつもコンパスを携行しているのです。下を見ると海。アンダマン海か。ときどき海岸。そのうち、蛇行する大河が見えるようになる。イラワジ河か。いつ覗いても河が見える。ということはバングラデシュ上空かな?  やがて視界から河が消え、着陸態勢に。飛行時間約3時間で無事カトマンズ着。上空から見たカトマンズは野原に低層の建物が散在している小都市。一国の首都というには貧弱な感じ。ヒマラヤは見えなかった。

 カトマンズ空港は新築らしく清潔。イミグレ、税関共に問題なく通過して出た途端、そこにいた男(仮にAとします)に「ネパールは初めてか? ならば観光案内所はこちら」と袖を引かれる。当方「地球の歩き方」を見てホテルは決めてある。「案内は不要」と断っても相手は強引。引き下がりません。「まぁいいか」と成りゆきで行ってみる。案内所の男(これは男B)は「ホテルは決まっているのか?」。「決めてある」。「どこだ?」。「○○○ホテル」。「いや、そこは不便だ。このホテルは市中心部に近く観光には便利。そのうえホテルまでのタクシー代を負担する。一流ホテルだが25USドルと安い。是非ここにしろ」と、ホテルのリーフレット片手に迫ってくる。ホテルの名はHarati。"タクシー代タダ"というのについ惹かれてOKしてしまった。というのは、この時点ではタクシーの相場が分からない。相場を知らずに値段の交渉をするのは億劫なのです。

 交渉成立するや、案内所の男は離れて見ていた男(最初の男とは別の男C)を呼び、私はその男に連れられてタクシーへ。駐車場では運転手らしき男どもがしきりに声を掛けてくる。中にはこちらの腕を取る奴もいる。それをこの男Cが振り払う。この男はホテル専属の客引きかそれとも案内所の雇い人か分からないのだが、とにかく助手席に乗り込んでホテルまで付いてきた。

 道々雑談。「Haratiとは何ぞや?」。「神の名なり」。「ヒンズーか?」。「しかり」。「政府観光案内所が客引きをするのか?」。「いや、あれはrecommendationであってsaleではない」。それにしちゃ熱心だったよな。「ところで空港から市内までのタクシー相場は?」。「200Rs」。「高い」。「ガソリンはインドからの輸入だから仕方がない」。「なるほど」、といった具合。ちなみにこの200Rsというのは本当らしい。その後ホテルと空港間を計3回乗ったが、全部200Rsだった。
(注)1Rs = 1.7円

ホテル ハラティ  Hotel Harati はどっしりした石造の本建築。広い中庭があり、中庭側の部屋は静か。従業員の態度も丁寧で好感がもてる。部屋を見てから「案内所では空港までのタクシー代も負担すると言ったぞ」と交渉。私も悪い。これはハッタリです。そしたら係はマネージャーの所に相談に行き、「分かりました」と言って最初検分した部屋の隣に案内する。この部屋からだと最初の部屋から見えたスワンヤブナート寺院が見えない。景色がタクシー代に化けたわけだ。

 まだ陽がある。ぶらりと街に出てみる。中世そのままの狭い道に人、自転車、オート三輪、ぼろタクシー。それに牛が押し合いへし合い。地図を右手に持って歩いていたら、後ろから来た自転車のハンドルで手を刎ねられ、地図がすっ飛ぶ。自転車の男は振り返ってこちらの反応を窺うが、これが能面のように無表情。不気味です。そのまま何事もなかったかのように行ってしまった。排気ガスと埃が凄い。マスクをして歩いている人間もいる。店は軒並みと言っていいほど土産物の店。私めがけて飛んでくる言葉は英語か日本語。歩いている観光客は圧倒的に白人。日本人旅行者は殆ど見かけないのに、これはどうしたことか。黄色人種なら日本人と決まっているのだろうか。地元民の顔は大ざっぱにインド系、チベット系、中東系といろいろ。服装もいろいろ。

 生き神様の館。こういう建物が街中に何気なくある。生き神様と言っても幼女。初潮が来ると神様ではなくなるのだそう。どういう幼女が生き神様として選ばれるのかは聞き洩らしました。 生き神様の館

 夜、食事に街へ出る。サンミゲルビールの看板に釣られて薄汚れたレストランに。アラビアンナイトに出てきそうな暗い洞穴のような店です。それでも先客が2組いた。ウエイターはきびきびと動きはよいが、言葉はよほど注意して聞かないと英語とは分からないような英語。メニューを見ても魅力的なアイテムは見当らず。結局「ちゃうめん」とサンミゲルを頼む。ちゃうめんは、要するに日本の軟らかい焼きそば。味はうまいともまずいとも言い難い。どっちつかず。量が多く食べ切れなかった。味の違いが何によるかを言う為には料理の心得がいるが、あいにく小生その心得は全くありません。せっかくのサンミゲルは冷えていなかった。電力が弱く冷蔵庫の能力が低いのかな? 世の中で何がまずいと言って、生温かいビールほどまずいものはない。そういうのにぶつかると生きる意欲を失う。勘定は135Rs。
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