3.食べ物の話  S 兄 時系列を追って毎日の行動を書けば頭を使わずに済む。しかし15泊もしたんだから、それじゃ冗長になっちまうし書き手も疲れる。どうしたものかと考えるばかりで一向に前へ進まない。

 日本は急速に老人大国化しつつある。大体そう言う手前が老人だもんな。しかし、ポルトガルへ行って、向こうの方がもっと上手じゃないかと感じた。とにかく老人が多い。乗り物に乗っても街を歩いても目に付いた。やっぱり女性の方が長生きなんだろうね。婆さん7割、爺さん3割かな。

 その婆さんだが、杖突いてる人が多かったな。松葉杖みたいな大袈裟なんじゃなくて、肘当てが付いている軽そうなやつ。リスボンに限らずどこでも目にした。これは体型のアンバランスが原因だね。上体が足に比べてとにかく大きい。元々そうなのか、それとも年と共に肥満するからか、その辺は分からない。というのは、若い女性を見るとスリムもいるし肥満もいる。ただ、スリム体型でも結構腹が出ている。家内に言わせると「胃袋が出ている」。

 それはどうしてか? 甘いものを好むから。これは迷うことなく断言できる。例えばリスボンの古い街。レストランというのか喫茶店というのかはたまたBarというのか、珈琲にケーキ、パン類を供する店が矢鱈にある。10メートルも行かないうちに「また有った」、「あ、ここにも」という風。地下鉄の駅なんかにもSicalという珈琲スタンドみたいなものがある。働きに出る人はこういう店で朝食を取るようだった。

 第一次リスボン滞在のときはホテルが朝食付きだったから、こういう所にはあまり入らなかったが、第二次のときは朝食が付かないペンサオという安宿に泊まったから、毎朝こういう店を利用した。そこで見てると、皆さん珈琲にドバッと砂糖を入れる。珈琲には最初から砂糖の小袋が二つ付いてくるんだ。また、女性は菓子パンみたいなものをよく食べる。極端な例では、砂糖を厚くまぶした「おっぱい」そのものの形状(ご丁寧にも乳首付き)のパンを二つも食べてる婆さんがいた。二日続けて同じ店で隣り合わせ二日とも同じ物を食べていたから、おそらくそれがその人の朝食の定番なんでしょう。この婆さんには挨拶されちゃったよ。 

ついでに言うと皆さんよく飲む珈琲は2種類。一つはエスプレッソ。デミタスカップのやつ。一つはミルク珈琲。これはガラスのコップを使っていた。

エボラで ポルトで。イタリア人と

 甘いものだけじゃない。食事の量が多い。レストランで出される一皿の量が我々の二人分くらいある。別にパン、チーズがあり、更に習慣としてワインを飲むでしょ。そりゃどうしたって肥りますよね。我々は大体メインディッシュは一皿頼んで、二人で分けて食っていた。それで丁度いいんだ。

 レストランで席に着くと、まず黙ってパンとチーズを持ってくる。これはお通しみたいな物かと思うとさに非ず。別料金でしかも、手を付けなくても金を取る。日本人的感覚からすると結構あくどい。だから、要らないと思ったら、最初から引き取るように要求するのが賢明。一度それを忘れて支払いを済ませてからレシートを見たところ、触らなかったチーズの分2.2ユーロだかをしっかり取られたと、家内が怒っていた。

 そういった物のお値段だけど、デミタスで0.5、コップのミルク珈琲が0.7、ビール中瓶が0.8から1、赤ワイン中瓶が2ユーロくらい。メインディッシュは鱈料理が6から7くらい。少し上のクラスの魚で8から9くらいかな。一度舌平目のムニエル食べたが、これが10くらいだった。1ユーロは到着日の両替で134円だった。だから、食費は日本よりやっぱり安い。

 お味の方はどうかと言うと、まぁサッパリ系ですね。フランス料理みたいに濃いソースが掛かっているようなものには出くわさなかった。もしかすると、有るのに我々が頼まなかっただけかも知れないけれど。鰯なんかモロ日本の塩焼きですよ。塩は粗塩。一番うまかったのはナザレの海に面したレストランで食べた海鮮のリゾットだった。あれは「西洋おじや」と言えばいいかな。やっぱり我々は米が入っているとうまいと感じるのかも知れない。

 リスボンでも一度リゾット頼んだら、土鍋で出てきて、二人がかりでも食い切れなかったっけ。メニューには18ユーロと11ユーロとあったんだ。18の方は多そうだと思って11ユーロの方を頼んだんだけどね。それでも残したもんね。

 しかし、微妙な味わいになると日本料理の方が上でしょうね。ポルトガル料理は簡単素朴という感じ。そして、イタリーで食ったものよりは日本人に合うと感じました。

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