10.03.06 クチャへ
エイティがル寺院
見世物のラクダ
 3月6日
 カシュガルから西南に200km、パキスタン国境との中間点にカラクリ湖という美しい湖があるのですが、車で4時間かかる。一人で行くのは無理。市内に残った最後の観光ポイント、エイティガル清真寺へ行きます。

(左)ホテルから徒歩10分。寺院前が石畳の広い広場。門や塔が黄色のタイル貼り。晴天に映えて今までに見たイスラム寺院の中では一番美しい。
(右)見世物の駱駝がいました。見せるだけでは金は取れないから、乗せるのかもしれません。お昼前で気温11度、湿度45%。

 今日はクチャ(庫車)へ移動します。距離約700km。
クチャ行火車票
(左)昨日ホテルの商務房で火車票を買っておいた。長距離バスもあり道路も(ホータン方面より)よいという話でしたが、バスは席から動けないしトイレも不自由。だから列車にしました。

(右)ホームの駅名表示。
カシュガル駅ホーム
 タクシーで火車駅へ。駅前広場に入るのに警官が2元取る。何だか怪しいな。鉄道駅に着いたらイの一番に列車時刻表を買おうと考えていた。これがないと不便でしょうがない。ところが売店がない。普通中国の駅にはこれでもか・・・というくらい売店があるんだけれど、いこういう駅もあるんですねぇ。珍しい。
ダブルデッキ硬臥車
列車は定刻に発車。硬臥は上下二層車で、それぞれ個室に向かい合って2段のベッド。だから1室4ベッド。普通、硬臥は3段ベッド。このタイプは初めて。よくできています。
硬臥車廊下
美人の大学生
(左)新疆大学生。春節休みが終わってウルムチの大学に戻るところ。「何故私を撮るの?」と言われました。

(右)公平のため同室の友達も一緒に。
新疆大学生

 窓外の景色を眺めていたら近くの客室の男が話し掛けてきました。発車前に私、ホームで他の中国人と立ち話をした。そのときこの男が横で聞いていた。それで私が日本人と知っている。話したくてしょうがないみたい。

 温州人でカシュガルとアクス(阿克蘇。カシュガルから474km)の両方で綿紡の仕事をしているそう。私、「ホータンにもカシュガルにも温州大飯店があったけれど温州商人は大発展だね」。彼、「いや未だ他にも出しているよ」と自慢気に言う。「あんたも有銭人(金持ち)なんだろう」。「いやいや大したことはない。でも温州人は中国一の商人だ。我々は勤勉だから」と鼻を蠢かす。「それは日本でも有名だよ」。彼、甚だ嬉しそう。中国で鉄道に乗ると必ずと言っていいほどこういう手合いに出会います。質問攻めに参ることもあるけれど反面、退屈しないで済むという利点もある。

 「日本の首相は国内での支持率が下がっているようだね」。「あんたよく知っているね」。「新聞で報道している。(こちらの新聞と言うのはTVのニュースです)。我々は海外のニュースにも眼を配っている」。国際通なんだと言わんばかり。

 随分しゃべりましたね。と言っても8割方は筆談です。向こうはこっちの漢字が分かるようですが、こっちは向こうの漢字が時々読めない。相手は簡体字。その上そいつの字が下手くそ。簡体字というのは小学生が覚えるには楽でいいでしょうが、本来の形象が失われてしまっているのでよくない。こういう点では中国人の思いっきりの良さが仇になっているように思います。

 だんだん話題がなくなって来て、「中国と日本との差は有るか? 有るとすればどれくらいか?」と聞いてきた。「社会制度と技術力には50年の差がある。文化程度は30〜40年違う」と言ってやった。反論はありませんでしたね、意外にも。

 社会制度は100年遅れていると言うべきだったかも知れない。たとえば小生の以前の職業だった銀行業について言えば、手形交換とか信用情報蓄積のシステム。随伴して不動産登記、商業登記制度。日本には明治以来こういう制度がある。これなくして銀行は与信業務なんかやれません。だから中国の銀行は本来の銀行業務はやれないと思う。融資は有力者の口利きとか、政府の指示或いは依頼によってやっているのではないのかな。 最近自動車ローンや住宅ローンを始めたようですが、これが制度として安定するまで相当時間がかかるのではないか。

 裁判も中国では賄賂で判決が変わるらしい。日本の裁判は刑事訴追の99%が有罪。小生これは異常だと思う。これは若干裁判官が怠慢なのじゃないか。民(被告)よりも官(検察)寄り。だからこの前の足利事件のような冤罪も出る。しかし少なくとも賄賂で判決が左右されることはない(と信じる)。

 今度は「経済はどうか?」と聞いてきた。「中国は経済力では(日本に)急速に接近中だけれど沿海部と内陸部の格差が大き過ぎる。この点に注意しないと国内騒乱の原因になるよ、公平が大切だ」と忠告。「新疆でもウイグル人は漢族に反感を持っているんじゃないの?」。 そしたら、「いやそんなことはない。政府はカシュガルに200億元もやったんだぞ」と言う。「ウイグル人は頭が悪くて働かないよ」とも言う。彼はウイグル人を使っているようです。この辺が漢族の本音でしょうね。

 今度は「個人の財力はどうだ?」と聞いてきた。どうも国単位の話には興味がないみたい。彼らの目標は自分が金持ちになること。ただそれだけですから。「中国の一部富裕層は日本より上でしょう。中流もしくは下流は日本と同程度か下でしょう」。これにも反論なし。こんな話をしているうちにアクス着。「今度はアクスに来いよ」と言って、彼はここで降りて行きました。彼の写真はありません。撮るのを忘れました。

 長くなったので続きはまた明日。 
TOP  前頁 NEXT