06.04.20 開発も善し悪し
マンション群
徐家匯のマンション群。古い街はいずれこうなる。でも貧乏人はここには住めない。

 この数日好天が続いています。今日も雲一つ無い快晴。しかし、日本の快晴とは違う。何となくスカッとしない。モヤがかかっている感じです。

 昔、何かの本で読んだ。大陸には「濛気」というものがあるのだそう。上海は端っことはいえ大陸の一部だから、これは濛気だろうか。そうかもしれない。けれども、どうも一部は砂埃じゃないかな?という気がする。何せ兎に角、そこら中でしょっちゅう工事をしている。一つ一つの規模は小さくてもこんなにあちこちでやっていたら、そりゃ舞い上がる砂埃もちっとやそっとのものじゃない。それに排気ガスがミックスされてモヤるんじゃないか。

取り壊される住宅
 私の住まいの大通りを挟んだ対面に、1920年頃に建てられた住宅群があります。そんなに高級じゃない。日本風に言えば長屋。でもおそらく建てられた当時はモダン住宅だったのではないか。中国国歌の作詞者といわれる田漢がここに住んでいたそうです。その一帯が今取り壊されつつあります。
 地方から出稼ぎに来たいわゆる民工がハンマーふるって壁を壊し、瓦礫の山を重機が片づけている。この後は一体何になるのだろう。

 まぁ十中八九は高層住宅でしょう。3年後には地下鉄が通るそうですから、或いはオフィスビルかもしれない。いずれにしても大きなビルが立つことは間違いない。その結果街の景観、見てくれは良くなります。でも、そのために不便になることもある。それは何か。老百姓が利用する小さい店が無くなるんですね。家楽福のような大スーパーでも入ってくれればいいんですが、そういう話は聞こえて来ない。
開発前
 仮に庶民的な食べ物の店が出現するとしても、マックとかその種の店でしょう。私はああいう店は大嫌い。家人に「なんで?」と聞かれますが嫌いなモノは嫌い.。こちらのマックは日本よりずっと高いですしね。
開発後
 (右写真)私は後ろのマンションに住んでいます。ご覧のようにこちら側には小さい店はありません。
豆腐花と油條
 わたしゃマックより豆腐花と油條の方が好き。いつも行く店は取り壊し区画の1ブロック隣なんですが、この両方で1元5角。安いより何よりうまい。毎日食べて飽きない。ホントに穴蔵みたいな店ですが。
豆腐花の店
 
 そして夜は南翔饅頭の7元定食か、その近くの横丁の快餐店で民工諸君と肩を並べて5〜10元の定食を食べる。ここは汚いけど、おかずのチョイスが出来るのがいい。
(右写真)皆さんが食べているところを撮るのは遠慮しました。ご飯とスープのタンクです。お代わり自由です。
快餐店の飯とスープ

 大きな話に変わります。農村は大量の潜在失業者を抱えている。そこを何とかしない限り都市と農村、沿海部と内陸部の格差は解消できない。障壁は戸籍制度。中央政府は長年のタブーだったここに手を着け始めた。まだ地方都市に限っているようですが、農村から都市への移動を徐々に容認する。いずれは大都市への移動も容認せざるを得ない。

 そういう背景を考えれば、低層老朽住宅を高層住宅に建て替える必要性は十分理解できます。けれども一方で豆腐花や油條が食べられなくなるというのは困る。私だけじゃない。それを売っている人も含めて沢山の人が困る。以上「開発も善し悪し」というお話でした。

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