06.12.06 上海張小泉
張小泉刀剪製造有限公司
上海張小泉刀剪制造公司。
南京東路490号。
電話63223858
   63505918

  
 前が張は分かるけれど、後ろがなんで小泉なのか知りません。日本の前首相とは勿論関係ない。小泉さんが有名になる前からこの店はこの名前であった。有名な刃物の店です。この写真では空いていますが、週末の昼間なんかショウウインドウに辿り着くのが一苦労。それくらい繁盛している。

指甲剪
 今日、この店に鋏を買いに行きました。鋏なんてそこら辺の文房具屋で幾らでも売っています。何でワザワザそんな所まで買いに行くの? それはですね。ちょっと日本では手に入らない鋏がここにあるから。それが左写真の鋏。何に使うの? これで足の爪を切る。エー、爪なんて爪切りで切れるジャン。そうなんですけどね。相手は只の爪じゃない。百戦錬磨の・・・。いえ、冗談はさておいて、水虫の爪なんです。

 外科医の友人からメールが来た。「前に買って送ってもらった鋏の刃が折れた。済まんがまた買って送ってくれぬか」。「前」というのは私が上師大に居たとき。もうそれから5年は経っています。5年使えば大抵の物はくたびれるかも知れないけれど、相手は人間の爪。鋏は鉄。それも厚さが3ミリもある。そんなに簡単に折れるかねぇ。

 私も水虫持ち。プールで感染した。夏だけ痒くなる。でもサンダル履いていれば大丈夫。しかし同じ水虫でも爪の隙間に入り込むヤツは悪質。爪を変形させるンだそうですね。変形爪は肉に食い込む。食い込まれた肉の主は痛い。ウン、そりゃ痛いだろう。だから医者の所に切ってくれと来るわけです。これを切るのにドイツのゾリンゲン、三条の鋏などを使う。けれども、それでもうまく切れないのがあるのだそう。

 で、この友人が思い付いたのが以前、上海旅行のとき張小泉で見たあの鋏。アレが良さそうだ。ちょうどあいつ(私のこと)がいるからあいつに頼もう。そういうことで依頼があった。その時は困りましたね。文章で「こういう物」と説明されてもちょっと分からない。一度見に行った。自信が持てないから帰ってメールで確認して、もう一度行って買ったんだった。
張小泉店内

  買って送ったそれが幸い大変具合が良かった。先が尖っているから爪と肉の間にうまく入るんだそうです。それだけではなく、右手で使っても左手で使っても先端部分にシッカリ力が入る。要の締めと刃の傾斜の具合が絶妙だとか。それが折れちゃったという話。かなり力が要る作業なんですね。私、外科医というのは専ら手術室で頭や腹を開いて手術をするもんだと思っていた。ばぁさんの水虫の爪を鋏で切る。それも大汗かいて。案外原始的なことやっとるンだなぁ・・・と申しましたら、「お前映画の見過ぎだ」と言われました。

 話変わってこの店内。写真では鋏しか写っていませんが、他に包丁など家庭で使う刃物は一通り揃っています。そして性能がいいらしい。今回買った鋏などお値段たったの13元ですが、ダラリと空中に垂らした包帯を端を掴まずに左手でもスパッと切れるとか。そういう業物作ることにかけては、かつての日本は世界一だった。今は中国に負けている。ご時世とはいえ、大変残念なことですね。


  井上@打浦橋さんからコメントをいただきました。

 張小泉はもともとは杭州らしいですね。上海の張小泉はおおもとを辿れば、杭州の張小泉になるんでしょうが、今は別物らしいです。ということで2社で、「張小泉」の商標の使用権の争いをしてるようです。

 写真を拝見しました。我が家にもあります、この鋏。義母が娘の足の指のつめを切る時に使っています。手の指の爪は、自分で切ってます・・・。私が日本から持ち込みました爪切りで。チョット大型の爪きりです。


  野良猫@長野さんからも。

 ちゃんとした刃物が必要であれば三条燕や関を訪ねることをお勧めします。ここには日本の鍛冶屋が生き残っています。

 そしてベレッタ・シェルツ・レミントン・ウィンチェスター・S&W、・・・美国や欧州の銃器メーカーの実猟に使うナイフはたいていここの産です。

 大量生産の価格競争を避け、真似の出来ない性能と品質をいまだ保っています。ハサミや包丁、ナタに爪切りまで・・。熊本には肥後の守もまだ生き残っていますよ。

 生涯を職人の技に生きた者たちの作品はとても真似できるものではありませんね。

       ∧∧
      (=^..^=) 刃物マニア猫
       mm
TOP  前頁 NEXT