07.01.21 中国の教育−4
ゴミ収集車
竹箒で掃いたゴミや街頭のゴミ箱のゴミを集めて行きます。
 正月明けから私の掲示板に悪質な書き込みをされ、その対応に気を取られてこの「中国の教育−4」を書くことが出来ませんでした。犯人は上海出身の某国立大留学生でした。我々の血税がそんな留学生に使われている。やりきれない思いです。

 <プロセスはどうでもいいのか>
 さて本題です。初めて中国に来たときから気が付いていることでしかも気になっていること。学生・生徒が後片付けをしない。例えば飲み物の紙コップとかペットボトル。授業が終わった後、置きっ放しで帰る。これは大学、培訓、企業みんな同じ。学生・生徒だけではありません。教師は授業中、黒板(今は白板)に色々書きますね。これを消さないで帰る。私、前の教師の書き込みを何回消したことか。みんな実にだらしがない。

 これは昔からの習慣なのか、それとも新中国建国後の現象なのか。夜、店を閉めるとき、店内のゴミを外に掃き出しているのをよく見掛けます。どうかすると昼間でも歩いている私の目の前を果物の皮などが飛んで行くことがあります。店内から放り投げるんです。道路はゴミ捨て場という感覚なんですね。
竹箒で掃除する清掃員
 何年か前、貴州省の少数民族(苗族)の地域に旅行したことがあります。この地域では路上にゴミが無かった。すると、ゴミを路上に捨てるのは漢民族の習慣なのではないか。で、都市部では道路清掃員が竹箒でそのゴミを清掃する。教室の黒板も用務員が消すことになっているのでしょう。中国人に何故表に捨てるんだ?と聞くと、そうしないと清掃員の仕事が無くなるよ・・・という答えが返ってくる。
 ということは、学校でも家庭でも使った物は自分自身で始末せよという教育はしていないものと思われます。新中国からそうなったのではなく、昔からそうだったのではないか。

 ちょっと話は飛躍します。日本企業、特に工場では、3Sだったか5Sだったか忘れましたが、整理整頓を喧しく言います。生産管理も品質管理もまず整理整頓から・・という感覚です。当然中国に進出した日系企業でもこれを言う。ところが中国人従業員にこれを定着させるのはなかなか大変らしい。何人もの日本人駐在員からそう聞きました。

 以前文春のグラビアで「上海で活躍する日本人」として紹介されたことのある工場経営者の方は、「いろいろ試行したけれど、結局やらなければ罰金取る。チャンとやれたらボーナスを出す。これが最も効果がある」とおっしゃっていました。中国人には社員教育、つまり理屈を言ってもだめ。お金で評価するのが一番だ・・・という話です。

 周知の通り、中国人の就職先としては日系より欧米系の方が人気がある。なぜ日系は不人気か。私の考えでは上に書いた後始末、整理整頓ってプロセス、過程そのものです。日本人は過程の積み重ねを大事にする。それがないとしっかりした物は出来ないと信じている。だから箸の上げ下ろしまでうるさく言う。これが中国人には合わない。結果さえよければ途中はどうでもいいんじゃないの。これが中国人の感覚です。そこへいくと欧米系は任せる。過程をどうこう言わない。結果さえOKなら高報酬で報いる。これは中国人の気質にピッタリなんですね。それはそれで私にもよく分かる。

 しかし、ですね。こういう文化って、長い目でみると中国にとって決して良いことではない。改めるべき点ではないか。俗に世界中で流通している偽物の65%は中国製と言われている。辛気くさい努力をする奴はバカ。手っ取り早く金儲けできる人間が利口。偽物作りはそういう文化の所産です。だから中国人自身が消費者の立場になると中国製品を信用しない。買うなら日本製と言う。実は今の日本製品の殆どが海外工場製なのにそう言う。そんな状態で先進国に追い付けるわけがない。

 またまたしかし、ですね。「改めるべき」と口で言うのは簡単ですが、この実行は容易じゃないでしょうね。文化というものは例えてみれば海中の珊瑚礁。長い年月の集大成です。そしてこの国は広大で人口も多い。文化がどうのこうのなんて形而上的な問題を真面目に考える人間は知識人の中でもホンの一握りでしょう。そんなこと言うと「偏見だ」と叱られそうですが、決してそうではありません。

 その証拠。最近ネット版日経ビジネスで「市場経済は中国の大学生にNOと言う」という記事を見ました。田中信彦氏のご意見で、要するに「中国では政権が定めた科目しか教えない。それも只覚えさせるだけ。知識の範囲が狭く思考力も身に付かない。海外と戦う企業ではそういう人材は採用しない」とあった。

 これ、何かどこかで聞いたような話だな・・と感じました。そう。日本の大学卒も大分前から、採用後会社でもう一度教育しないと使い物にならないと言われています。これは日本が豊かになって一億総白痴化した結果でしょう。余所様のことをとやかく言ってはいられない。日本も足元が危なくなっています。

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