06.03.08 アンバランス
公共交通カード
公共交通カード。タクシーもこれで乗れる。

 上海の、或いは中国のアンバランスというお話です。

 今回私、日本語学級、学校というほど大きくないので控えめに申し上げておきます・・・開設の手伝いに来ているのですが、こちらで調達できるテキスト類を調べるため昨日、福州路の書店へ行きました。

 上海書城。上海最大の書店。面積は八重洲ブックセンターの3倍くらいかな。兎に角でかい。各フロア−にタダ読みの青年が大勢。日本では立ち読みですが、こちらでは座り読み。堂々と床に座って読んでいます。以前上師大にいた頃からそうだったし、廈門の大書店でも同じだった。廈門に至ってはそういう人たちが落ち着いて読めるようにデスクに椅子まで用意してあった。貧しくて本が買えない。そうか、それならタダで読まして上げるよ。そういうことなのでしょうか。兎に角こういう状景を見る度に、中国人にはこういう寛仁大度(おおらかさ)の一面があるんだな・・・と感心します。

 福州路の帰り。人民広場から地下鉄に乗ります。ホームに乗降口を示す線が引いてある。にも関わらず人は縦に並ばない。横に並ぶ。電車が入って来ると一斉に車両のドアに向かって動く。ドアが開くや否や、降りる人に逆らってドッと乗り込む。全く動物的。どうして降りる人が降り切るまで待てないのか。互いに時間とエネルギーを無駄に消耗するだけだと、どうして気が付かないのか。いつもそう思います。
近所の交差点
 交通ルールを守らない点も同じ。信号の色なんかここの人たちには没関係。見ていて「ここの人たちは闘牛の牛だなぁ」と思います。赤を見ると突進する。(写真注)向こうの信号が青でこちらが赤なのは今、左前方から左折車が来るから。
 大きい交差点には協管員という交通整理係がいるんですが、その制止なんかまるで聞きません。平然と無視する。しかしよくしたもので、車の方も歩行者のルール無視は十分承知している。だから案外事故は少ない。
交通協管員

 今日バスに乗りました。バスは料金の支払い方に2種類あって、入り口で先払いと車掌が後から金取りに来るのと。きょうのバスは後者でした。私は前の方に乗った。やがて満員の客を掻き分けて車掌が来た。他の人は小銭で払っている。私は小銭を持っていなかったので公共交通共通カードを出した。地下鉄、バス、タクシー。全部これ1枚で払える便利なカードです。「カードはダメ」と言われるかと思っていましたが、意外なことに黙って受け取った。「あぁ良かった」と、ホッとしました。
 しかしその直後にビックリ。車掌はカードを持って後ろの乗降口に帰って行く。察するに読み取り機が後ろにしか無いのでしょう。満員ですからなかなか戻ってこない。これはカードを持ち逃げされたかな?と心配になり始めた頃、やっと帰って来ました。私にカードを返した後、他の客に「票買ったか?」と言っています。
交通カード読み取り機

 車掌が私の所に帰って来るまでの間にバスは一度停留所に停まった。何人か客が乗りました。私その客を知っている。でもその新客は知らん顔している。車掌は(疑っているみたいでしたが)諦めて後ろに帰って行きました。

 日本にも無い非常に便利なカードを作っておきながら、ハンディ読み取り機を車掌に持たせない。その気になればそんな物簡単に作れると思うのですが。そしてタダ乗りを見逃している。非効率です。

 日本では今「格差が拡大した」と野党が騒いでいる。日本人って平等でないと気が済まない。別の言い方をすればバランス重視ですね。そして何事もキチンと始末が付かないと落ち着かない。一方中国人は馬々虎々です。先富論で分かるように、全体のバランスは二の次。そして(仕事していて感じるのですが)キメ細かい詰めをしない。詰めようとするとすぐ「没問題」、「差不多」、「不要緊」と言われる。こちらは天を仰いで「没弁法」です。

 この違いは埋まらない。文化、民族性の違い。何事もキチンとしていると窮屈。馬々虎々には「こちらも気楽にしていられる」という利点がある。お互いにお互いを「そういうものだ」と認め合うのが最善ということでしょうか。
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