07.02.17 近代化とは?
焼芋売り
 街角の焼芋売り。取り締まりを逃れて隠れているところ。

 伝統に学ぶ一方で常に革新を図る。それが進歩。この国は今近代化を目指し、猛烈な勢いで変わりつつあります。けれども、目を凝らして見ていると、簡単に変わるものもあればなかなか変わらないものもある。その両方が混ざり合って滔々と流れて行く。複雑。観察者にとってはとても興味深い国です。
外灘
(左)外灘の歴史的建造物。上海人は国際都市の象徴として自慢する。北京人にとっては列強支配、屈辱の歴史の象徴。上海人は頭がおかしいと批判する。
浦東
 (右)中国人の誇り東方明珠。日本人はオデンタワーと言っている。美を感じない。他の建築物にも奇を衒う形が多い。中国人は目立ちたがりなんです。日本人はどちらかといえば簡素、控えめな建築を好む。こういうところでも民族性の違いが見て取れる。
地下鉄特別通路
(左)地下鉄1号線駅で。退休幹部、革命烈士遺族用通路とある。前者は証明書があるからいいとして、後者はどうやって証明するのか。いずれにせよ、使っているところを見たことない。
地下鉄券自販機
 (右)同じ駅で。乗車券自動販売機の前には人が少ない。大抵有人窓口の方へ行っちゃう。自販機は操作がすぐに分からない上に故障が多い。投入したコインが返ってこない。だから不人気なんです。

 改札には大抵女性職員が立っている。人は有り余っているんだから自販機にも職員を付けて客に操作を教えればいいのにと思う。サービスは中国語で服務。よく「為人民服務」の標語を見掛ける。けれども、こちらで制服を着ている人種は大体権柄ずくです。人に優しくするのは沽券に拘わると信じているかのよう。

 新しい機械を入れてもそれを利用させる工夫をしない。これこそ仏造って魂入れず。こういうケースが多いです。
万引きが多い?
(左)書店入り口の立て札。「外から持って来た本は預けてくれ」と書いてある。「万引きと間違えられるよ」と言っているわけ。こちらでは書店でもスーパーでも監視員が多い。万引きが多い証拠。
タダ読み公認
 でも昨今、日本でも万引きで本屋が倒産するとか。余所様を笑っていられません。

 (右)売り物の本をここで自由に読める。こういう席がどこの書店にもある。これは私にとって中国最大の謎。どうしてかくも寛大なのか。最初は読書推奨の表れと受け取っていた。立て札を見て謎が解けた。万引きされるよりタダ読みさせた方がいいということなんだな、きっと。
チェーン店.呉越人家
(左)呉越人家。麺チェーン店。このロゴと飾り付けは各店共通。中国らしくて私は好きです。変わらないでほしい。
(右)Omally's.。アイリッシュパブです。上師大時代何回か行きました。旧フランス租界にはこういう店が多い。
アイリッシュパブ
バスの中に
(左)バスの中で。豚の骨でしょう。田舎ではよくあることですが、上海でこんなのを見るとは思わなかった。このバスには車掌が乗っている。車掌が黙認しているということは即ち、一般に不潔とか不衛生に鈍感ということです。
4号線車内
 (右)地下鉄4号線の車内。日本の地下鉄より綺麗。チラッと見ただけではこれが中国とは思えないでしょう。このように外観は急速に近代化が進んでいます。しかし、左写真のように豚骨を平気で公共の乗物に持ち込む感覚も健在。アンバランスなんです。

 一番上の写真。焼芋を買って代金を払おうとしたら矢庭に逃げ出した。城市監察の取締官を見つけたらしい(しかし錯覚だったよう)。追っかけて行って金を払いました。訛りがあった。おそらく地方から出て来た青年。上海で下層の仕事をしているのは殆ど地方出身者です。

 地方は膨大な失業人口を抱えている。この国が地方の貧困に真剣に立ち向かわない限り、近代化を本当に志向しているとは言えない。例えば義務教育費。これは中央であれ地方であれ政府が負担すべきものでしょう。しかし現実は学校の建設から維持管理、教科書代まですべて地元民の負担。義務教育が聞いて呆れる。最近やっと中央政府が補助するようになった。しかしそれはホンの雀の涙。省のレベルで消えてしまう。片方では軍事費に莫大な金を注ぎ込んでいる。民が主の国ではないのです。そして地方(農村)の犠牲の上に大都会の繁栄がある。

 大都会の表面だけを見てこの国を判断すると大きな誤りを犯すことになります。
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