01.05.27.月亮湖
屋上の飾り
バスの向こうのビル。屋上に変な物が。

 旅行の最終日。これという話題もない。かと言って一日残してリポートを中断するのも後味が悪い。ダラダラと続けます。今暫くご辛抱を。

 [山乗]州のホテルでは朝食が付いた。募集条件では出ないことになっている。こういういい加減なところが、中国の面白さ。ホテルの部屋も同じニ星ながら、臨海よりよかった。やはり海とか大都会に近付くにつれて、そういうものが良くなる。

 バスに乗り込んで出発するまでの間、周囲を見まわしていたら、妙なものを近くのビルの屋上に発見。写真をご覧じろ。タコみたいなものがある。

 この国の人は自己主張が非常に強い。例えば、(一気に飛躍するけど)教えている学生のデキの悪い奴が自己推薦書なんかを書いて、見てくれと持ってくる。卒業が危ないレベルなのに、「私は成績優秀で・・・」なんて書いてある。開いた口が塞がらない。オレ何でもハッキリ言う方だから、「君のレベルだと試験通らないよ」と言えば、「私は真面目な学生です」と言うんだな。実はそんなことはない。碌に授業にも出て来ないのに、臆面もなくそういうことを言う。自分は何も悪くない。卒業させない方がおかしいんだ・・・という感覚なんです。

 いつも建築物を観察していて、やはりそういう民族性って建築にまで出るんだなと感じている。一言で言って、他にない形を作りたがる。写真は撮りそこなったが昨日の仙海の市役所なんて、建物真中に不等辺三角形の尖塔があって、それもガラス張り。ケッタイな感じ。美観もさることながら、後のメンテナンスを考えているんだろうか?  この写真の彫塑だって格別美しくもない。重量がかかるから、鉄骨だって太くしなくちゃならんのではないか。あれこれ考えると無駄だと思うのが日本人。見栄しか考えないのが中国人。そんな気がする。 

 今日の予定は月亮湖、百丈飛瀑、紹興石仏寺となっている。まず月亮湖。バスがどっちを向いて走っているのかサッパリ分からん。丘陵とも山とも言えるような低山を縫って進む。日本なら、房総の山間部か。植生は鹿児島あたり。お茶畑、竹薮、松、楠などなど。実によく似ている。ときどき現れる中国家屋がなければ、南九州を旅しているような錯覚に陥るくらい。

 小さい谷間に入り、小さい発電所の横で降ろされた。目の前に堰堤。堰堤横の階段を息を切らして登る。途中で気持ちが悪くなった。上がり切ると人造湖。小さい遊覧船に分乗して湖の奥の方へ。ガイドの説明では「呉の水軍を訓練したところ」とのこと。それは嘘だろう。堰堤で湖にしてあるが、あれがなければ只の山間部の川だ。それがキッカケで同行Sさんと、越王勾践と呉の夫差の話になる。これが日本史に逸れて、児島高徳が桜の木に書いた歌「ときにはんれいの無きにしもあらず」の話になったら、誰もついて来ない。ちょっと無理だったか。これ、皇国史観真っ盛りの戦時中の教科書に載っていた話だもんナ。

百丈飛瀑
 湖のドン詰まりで降ろされ、湖畔の道をテクテク歩く。と言っても今は渇水期。相当干上がっているから、湖底を歩いたと言う方が正確。1キロも歩いて、百丈飛瀑とやらの公園入り口へ。
 ここでも、山に登るんだと。じゃオレ、待っているということで、一番手前の滝の所で皆さんとお別れ。例によって、次々とやってくる観光客の観察。写真を撮る場所はみな同じ。日本人だと、まぁ8割くらいの奴は他人が撮っていることに気がつく。そしてそれが終わるのを待つ。中国人は気がつくのが5割くらいかな? 半分は人が撮っている所へ構わず立ってポーズを取る。 たまにクレームを付けて、口論を始める奴もいる。
 滝壷の横の僅かな空き地で車座になって酒を飲んでいる若者。アルコール度が50%もある白酒(高粱で作る)を飲んでいる。これの強さは泡盛級です。飲み終わったら下山かと思いきや、登って行ったから驚いた。若者はいいねぇ。しかし、立ち去った後にはゴミの山。公共心はゼロ。
滝
 一時間で戻って来た仲間と合同。公園入り口でガイドを待つが、一向に現れない。じゃ、先に行くかと乗船場へ。途中遠くのお茶畑で、お茶摘みをしている農民を見かけました。袋付きの鋏で刈っていた。懐かしかったな。オレも昔、散々やらされた。「オサム、てんだえ」って言われてね。「手伝え」じゃないんだよな。そのじいさんばあさんが死んで久しい。オレのデジカメ、ズームが無いからその風景、写せなかった。
漢方薬の原料
 
乗船場の手前に小さな部落があって、農民が道端でお茶の手揉みをやっている。日本では今、手揉みは高級茶しかやらないのでは? つい懐かしくて一袋買ってしまった。10元。今も飲んでいる。昔、清見寺の家で飲んでいたのと同じ味がする。ただ、葉の長さが違う。中国の方が大きいね。木の切れッ端や根っ子みたいのも売っていた。一々Sさんに、「これは何だ?」と聞いてもらったが、みんな漢方薬の材料。名前は忘れてしまった。一つだけ、木っ端みたいのは、肉桂のようだった。

  乗船場で長々と迎えの舟を待つ。なかなか来ないから客の列が長くなる。そのうちに、後ろから50過ぎの夫婦が前の方に割り込んだ。我々の後ろにいた中学生達がそれを見て、声を揃えて何か言う。同行Sさんによれば、「列を守れ」と言っているのだと。へぇ、と感心。中国でもそういう教育はしているのか。夫婦のうち、親父の方は恥ずかしそうに後へ戻ったが、オバさんの方は聞えない振り。舟が来たら、更に前の方へグイグイと割り込んで行った。世の中で一番厚かましいのはオバさん族。中国も日本もその点では同じですね。

 バスのところまで戻り、乗り込もうとしたら運転手が、この先で食事だと顎をしゃくる。別に偉ぶる気はないが、この国ではサービス業に携わる人間に「お客様」という意識がない。態度が悪い。共産党の平等意識の行き過ぎか? いや、そうじゃないね。共産党内部の序列の差は相当なもの。軍隊と同じ。中国では権力関係で人を見る。ここでは車の運転ができる奴はかなり威張っている。収入も多いらしい。車ってものが未だ少ないからそういうことになる。やがてモータリゼーションが本格化したら、彼等の地位も下がるだろう。そうしたら、もっと丁寧な物腰になるかな? どうかなぁ? 習慣ってなかなか変わらんからね。

 発電所の下に、元はこの発電所の事務処兼宿舎だったのではないかと思われる建物があって、そこがレストランになっている。事務室に食卓を持ち込んだという、何やら速成の感じ。蝿が一杯飛んでいる食卓を囲んで、まずい食事。この旅行中で一番まずい食事だった。何しろ何でも塩ッ辛い。野菜でも肉でもぶつ切りにして、塩をぶち込んで茹でただけっていうような代物ばかり。

 他の客もおそらく同感だったのだろう。一組の夫婦者がおかみを掴まえて盛んに何か言っている。Sさんによれば、「一皿10元も取っておきながら、この量は少な過ぎる」とクレームを付けているのだとか。さすが上海人。やれやれっ。おかみ側に従業員だか亭主だかが付いて、口論になった。そのうちに、両方とも外へ行ってしまった。だから、どう始末がついたか分からずじまい。

 しかし、確かにそうなんだ。上海は大都会。なんだかんだと言っても、田舎より物価が高い。しかし5元出せば、腹一杯の食事ができる。10元といったら2回分。そりゃ文句も言いたくなるわサ。そこを我慢して言わないのが(陰では精一杯言う)のが日本人。堂々とクレームを付け、見合うものを何か寄越せと迫るのが中国(上海)人。貴方はどっちがいいと思いますか?
 
 お土産やには一度も寄ってない。近辺に食事に適当な場所が無いという口実があって、ここに客を連れて来る。まぁおそらく、ここはガイドの唯一のリベート貰いの場所なんでしょう。日本でもあること。これくらいはしょうがないか。

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