03.09.29  歯の治療
禾祥西路 別名お金持ち通りと言われる禾祥西路。徳真会歯科医院はこのマンションの2階にあります。 徳真会 看板の中日合作という文字が見えますか。この歯科医院だけで二階の約10世帯分くらいのスペースを使っています。

 古代人@厦門です。今日は一点の雲もない快晴。日差しは強いですが、窓から入る風は爽やかです。

 なんだかんだと言っている内に、短信も20号になりました。我ながらよく続いたものだと思います。今日はこちらの歯医者の話です。ご参考になれば幸いです。

 こちらへ来て間もなく、小吃店で排骨を食べていて、左上4番の歯がポロリと欠けました。虫歯で一度処置した歯なのでやや厚みが薄かったこともあるのでしょうが、食べ物を左側でばかり噛む癖がついていたものですから、経年疲労が溜まっていたのでしょう。かかりつけの歯医者さんには兼々「もっと右で噛むようにしてください」と言われていました。ところがこれが案外難しい。皆さんも食事のとき一度意識してチェックされることをお勧めします。左右均等、または交互に噛んでいる人は少ないのではないかと思います。

 幸い横の方ですから、大口開けて笑わない限りはそんなに目立たない。もう年が年です。見てくれはどうでもよろしい。でも欠けた部分が「ささら」状になっていて、うっかりすると口腔に傷が付く。もう一つ。発音するときに、僅かながら空気が抜ける。自己判断では大したことはない。でも当MLの諸兄諸姉先刻ご承知のとおり、中国の人は非常に耳がいい。四声、二重母音、三重母音、有気・無気音等々日本語の何倍も微妙な音の違いを聴き分ける。そういう人たちに言葉を教える立場からすると、これは好ましい状態ではない。そこで、帰国するまで待たず、こちらで治療することにしました。

 知り合いの日本語堪能な中国人に相談しましたところ、日本と合弁の歯科医院がある。そこへ行きなさいと勧められた。私、外国で治療しても日本の健保に治療費を請求できることは知っていましたから、留守宅に電話して請求に必要な書類をFAXで送らせ、最初の日だけその知人に付き添って貰って出掛けました。

 場所は、その人に言わせると別名「金持ち通り」という禾祥西路。片側1車線の道幅。それに歩道。街路樹。左右は小綺麗なブティックや家具店、レストラン、etc。それらの店の上部はテラス付のマンション。漢字の看板を横文字に、歩行者を欧米人に変えたら、「ここはパリです」と言っても通る街並みです。医院はそれらの中の新しいマンションの2階。2階に上がる階段や待合室には、日本の歯科医院の写真がズラリと掛けられている。なんでも日本の徳真会とかいう歯科医グループと提携しているのだそうです。

 中は広い、綺麗、豪華。待合室なんかまるでホテルのロビーのよう。子供用のジャングルジムまである。診察室は診療台というんですか、あれが左右に4台ずつ並んでいる。それも、くっついていない。ガラスの仕切があって、それぞれが準個室風になっている。いや、これは高そうだな。私が行ったときは午前中だったせいでしょうか、患者は一人もいなかった。医師も一人だけ。中年の女性。新潟に研修に行ったとかで、片言の日本語が話せると通訳役の知人は言うんだけれど、なーに、3回通った間、僅かに「開けてください」「噛んで下さい」程度しか言えなかった。

 助手が付き、歯を全部点検。レントゲン室に連れて行かれ、患部の写真を撮る。機械は最新型。私には防護カバー。日本でもレントゲン撮るとき防護カバー掛けられたことない。これには感心した。モダンな診療台にはMADE IN JAPANと書いてある。これは大変な額の資本が投下されている。料金が心配になって来て、「このように治します」と治療方法を説明されたとき、まず「お幾らくらい掛かりますか」と聞いちゃいましたね。まぁ多寡が歯一本。払えないような金額にはならないだろうけれど、それでもモノには限度ということがありますからね。

 だいたい3回通って、トータル1500元程度という答えでした。今だと1元14円として2万1千円くらいになりますか。「あれ、案外安いんだな」。これは私の感想。でも後で聞いたんですが、通訳役の知人は「やっぱり高い」と感じたそうです。私が今教えている生徒の中で、一番給料の安い子が月800元。その次が試用期間中なので1000元と言っていました。たぶん高卒だと思いますが。その給料より多いんですから、やっぱりこちらの歯科相場より遙かに高いのでしょうね。そうそう、こちらでは歯科ではなく牙科でした。

 仮の歯を入れてくれ、これがなかなかの優れもの。もう後は要らない・・と言いたいくらいピッタリ。2回目に土台を整形し型を取った。このとき、中国人の患者が一人、男の医師に治療されていた。医師は勿論中国人です。助手が3人くらいいて、受付にも小姐が二人もいる。こんなに患者が少なくてやっていけるんかな? と余計な心配をしました。

 3回目に義歯を入れ、「どうですか? 当たりますか?」。さすがに我が女医さんこれくらいは言えましたね。けれども、「当たりますか?」と言われた当方返事に困った。だって暫く無かった所に歯が入ったわけでしょ。当たらないわけはない。「そりゃ当たりますよ」と日本語で言ったが相手には通じない。「エッ!」という顔をされた。そうか。そう言っちゃうと治療を全否定することになるな。質問の趣旨は「噛むのに支障があるかどうか」ということだナ・・・と理解し、適当な言葉が浮かばないので、とっさに「差不多」と答えた。そしたら先生と助手、揃ってホッとしたみたいでした。それで一件落着。「差不多」って言葉の威力は凄いですね。一発で大抵のゴタゴタは片づいちゃう感じ。

 その後、日本の健保に請求する証明書を書いて貰ったのですが、その用紙は現物がその医院にチャンとありました。日本人がかなり治療に来ているものと見えます。実際、丁度私が「先生お世話になりました」と日本語で挨拶したとき入ってきた中年男性は、一瞬「アレッ」という顔で私を見た。日本人のようでした。おそらく駐在の人でしょう。

 書類は留守宅に郵便で送りました。まだ着いていませんから、受理されるものかどうか分かりません。受理されれば、治療内容を日本の点数に換算して支払われるんだそうです。ただ、これは推測ですが、総額で実支払額を上回ることは無いだろうと思います。また本人負担分として、総額から30%カットされるのだろうと思います。

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