03.11.03  留学生のこと

厦門日報
厦門日報11月1日号。扱いは案外小さい。
記事内容
最初左の新聞が見つからなかったため、netから引き出した記事内容。拡大すれば読めます。

     この項は西安の西北大学で起った日本人留学生除籍問題に関連して投稿したものです。
     なお、ML仲間のtamura-mさんに感想をいただきました。私のご返事を下に添えてあります。


 留学生ツリーの皆さん 今日は。
古代人@厦門です。なんか便乗するようで気が引けますが、これを短信にさせてください。

>北京は平静です。今日、町に出た時、可愛いい日本の留学生と出合ったので、今回の事件について聞いて見ましたが、何もしらないようでした。西安と北京と何か違いあるのでしょうか。

 厦門も(外出時注意とお達しがあったけど)何事もありません。昨日は留守宅に「お宅の旦那は大丈夫か?」と見舞いの電話があったそうです。そもそも私、黙っていれば外国人には見えないらしい。どこへ行ったってどうってこと無い。「黙っていれば」と言えば、こんなことが・・・。

 実は昨夜帰宅したら停電で、と言っても変な停電。室内の照明はつくのにテレビその他、壁の差し込みから来る電気がつかない。パソコンにも勿論来ないから、あまり使うと電池が消耗する。それで昨夜はサッサと寝ました。今朝ビルの管理室へ行って保守管理人を呼んできた。漏電ブレーカーが落ちていた。ブレーカーを元に戻してその男が帰る。すぐまた落ちる。また呼びに行く。それを数回繰り返すうち、相手が「あんた那国人?」と聞く。「日本人」。「へぇー、あんた漢語うまいね」。「没有。我的話太不好」。ホント、殆どダメ。いえ、そんなことどうでもいい。要は日本人だとハッキリ言っても、相手は格別変った反応は示さない、と申し上げたいわけです。

 それに、中国と一口に言っても広うござんす。大体どこの地方の人もそうだと思いますが、ちょっと離れた土地のことにはまるで関心をもたない。ウチのスタッフなんか普段、1km以内のこと聞いたって碌に知らないんだから。

 例えば昨年、南京で毒入り油条でしたか、30人も死んだ事件がありましたよね。その時、ML上で(日本から)「そちらでは報道されていますか?」と質問がありました。それで地元の人に聞いたところ、「ああ二、三日前に新聞で見ましたよ」と。まだこの人は知っていただけマシ。新聞読まない人はそんなこと知らないわけです。仮にTVで見て知っていても、お互いあまり話題にしないみたい。

 更に・・・ですね。この前の神舟打ち上げ成功の時、私の周囲でこのことを話題にした人は生徒も含めて一人もいなかった。国家の威信が大いに上がったわけですから、中国人としては嬉しいはず。外国人である私に自慢したいだろうに、誰も言わなかった。遠慮している・・のでもなさそう。一般庶民はこういう事柄にはあまり関心がないように私には感じられます。

 反対に、私が参加している別のMLでは反応が凄かった。それは上海出身留学生が中心になって作ったもので、おそらくメンバーの過半数が在日中国人だろうと推測されるのですが、もう大喜びの投稿が続きました。やはり外国にいると母国のことが気になる、或いはよく見えるということでしょう。そういう点では日本人も中国人も同じということです。

>大学だと思いますが)を尋ねたことがあるんです。そこには留学生ばかりではなく、結構お年の方もいらっしゃるんですね。なんか老後のカルチャー教室のような感じもしました。大学のコマ−シャリズムに乗って、はるばる

 とろで本題はこちら。こういうことは実際に語学留学された方のほうが詳しいはず。でも、まだお話がありませんので、私の見たところをちょっと一言。

 上師大のいわゆる語学留学生を日常観察または付き合っていたんですが、構成としては日本からダイレクトで来た若者、同じく日本からの社会人(kan-abeさんもそのお一人でした)、それから現地駐在者の奥様方、どこの大学も大体その三通りじゃないかと思います。

 で、私は外から見ていましたので正確ではないかも知れませんが、一番真面目なのが交換留学生とkan-abeさんを筆頭とする社会人の人たち。やはり動機があって来ているわけですから熱心に勉強する。次いで奥様方でしょうか。どうしようもないのが若者たち。まぁ明からさまに言えば、日本で行き場がなくて来た・・というような若者が多い。

 一番ひどいケースでは、高校を卒業出来なくて、親に言われてここへ来ました・・というのがいた。「息子さん近頃顔見ないけどどうしたン?」。「ええ、ちょっと上海の大学に留学させてますネン」。そう言えば何となく格好がつくんじゃないか。私はまぁ、そんな風に親の気持ちを忖度していましたが。

 真面目な社会人出身の方の中でも、特に熱心で「上師大ではぬるま湯に浸かっているようだ」と復旦に移った人もいた。「上師大では出席率が悪くても何も言われないが、復旦では除籍されるんですよ」とその人は言っていました。吉野さんや鈴木さんのお話では復旦大学の態勢はそんなによくないということですが、私はそこまで知りません。大学なんだからそれくらい厳しくなくては嘘だよな。さすがは復旦・・・と思っていました。ただ当時、復旦の留学生寮はよくないと評判でしたね。「上師大は設備がいい」というのが売りのようでした。kan-abeさん、あれでもいい方なんでしょうかね?

 そのように真面目に勉強して中国人にヒケをとらないくらい中国語が上手になった人でも、帰国して就職活動すると大変だ・・・という話は私も聞いております。不景気のせいなのかそれとも中国人を雇う方が安く上がるからか、その辺の事情は私には分かりません。

 以上申し上げたことは大雑把な話でありまして、何事にも例外はあります。若者の中にも真面目な者はいますし、社会人の中にもあまり授業に出ない人もいる。まぁ類型として捉えるとそういう状況。それも2年ほど前の話でありますが、今でも事情はそんなに変らないだろうと思います。

 tamura.mさん
古代人@厦門です。今日は。

>>うち、相手が「あんた那国人?」と聞く。「日本人」。「へぇー、あんた漢語うまいね」。「没有。我的話太不好」

>“古代人”さんこれは大勲章です。「文化の日」の記念です。

 少し説明を省略しちゃったので自慢に聞こえたかもしれません。実はその相手はなんか訛りがあるようで、私には彼の発音が不明瞭に聞こえました。彼にはそういうコンプレックスがあるのでは? 多分、このオレに比べるとこいつは外国人なのに・・・という思いだったのではないかと推測しています。私の漢語なんてひどいものです。とてもお聞かせ出来ない。ただ取り柄があるとすれば、恥ずかしがらずドンドン言うということだけ。それも一人のときに限ります。上手な人、例えば井上@上海さんがご一緒ならば、全面的に頼ってしまいます。

>> それに「中国と一口に言っても広うござんす」
>
>この点が最近は忘れられてきましたね。

 本当にそうですね。私のかかりつけの歯医者さんは80歳を超える方で、若い時中国大陸を転戦された経験をお持ちなのですが、田舎へ行くと「お前達どこの兵隊だ?」とよく聞かれたそうです。つまり、相手はこちらを外国の軍隊だと思っていない。中国にはいろんな兵隊が入り乱れていたということですね。で、「日本軍だ」と言うと、「日本って(中国の)どの辺にあるんだ?」と聞かれたそうで、そのときつくづく「中国って完全に一つの世界(それだけで完結しているという意味)だな」と感じたそうです。

 私は司馬遼太郎が好きなんですが、彼は「中国の辛さは(一つの国としてまとまっていくのには)あまりにも広すぎるところにある」と言っていますね。蓋し名言だと思います。あちこち旅して「おまえ広東人か」とか、「台湾人か」とか、「どこから来た? エッ、上海? フン!」なんて顔をされたり。この前は安渓で東北人にされちゃった。その度に司馬遼太郎のこの名言と、歯医者さんの述懐を思い出します。
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