04.02.20  引っ越し - 2

リビング
リビング。スツール3脚と丸い小椅子は房東と一緒に家具店へ行って買いました。勿論他の家具と同様、房東の提供です。
キッチン
キッチン。修理工が把手を取り付けているところ。向こうのドアが玄関。つまり、入るといきなり台所というわけ

 ついこの前の寒さが嘘のように、一転して暑くなりました。春じゃなくて一気に初夏です。この変りようの激しさ。四季がある日本の素晴らしさをまたまた痛感しています。

 さて、引っ越し話の続きです。前の房間は2月の20日までの契約。ですから新しい房間の契約を20日にしたいと申し入れましたところ、「そんなに待っていられない。すぐでなければ断る」という返事。こちら1600元を1400元に値切ったことでもあるし、まぁ仕方がないということで13日に契約しました。

 当日四川大厦の事務所で待っていた相手は30歳くらいの細身の女性。亭主らしい精悍な男性が付いていた。こちらは学校のボスとマネージャー格の男。これはボスの奥さんの弟。つまり義弟。いきなり喧嘩みたいな交渉になりました。こちら何の話かサッパリ分らず。その女性の「それならエアコンは一つしか付けない」という一言が辛うじて理解出来ました。それで「ハハァ、前家賃の話だな」と見当がついた。で、どうも相手が勝ったらしく、マネージャーが家賃6ヶ月分8400元を支払った。エアコンが居間と寝室に付くようになっている。相手は前家賃でエアコンを買う。3ヶ月分しか出さないなら一つしか付けないぞ・・とブラフをかけたのでしょうね。

 双方が契約書にサインし、鍵の受け渡しに至ってまた口論が始まった。今度はこちらのマネージャーが「工人が・・」と言った一語だけが聞き取れた。後で何の話だったかボスに確認したところ、「ドアが二つある。鍵は四つある筈だ。なのに二つしか寄越さない。相手は修理を人にやらせるときに必要と言うが、それなら工人が泥棒したら責任取るのか? という話だったのだ」という説明。ハハァ、成る程。そりゃ筋が通っとる。で、結果はどうしたかというと、契約書に「鍵は二つしか受け取らなかった」と書いて相手にサインさせた。

 しかし毎度同じようなことを申しますが、中国の女性は強いですね。大の男二人を相手にして、交渉はこの細身の女性一人。一歩も引かない。男性の方は終始無言。途中で何か助太刀を求められたら「シェンマスーァ」なんて言ってこの男、プイと外へ出て行っちゃった。その後の様子も併せて考えると、この房間は女性個人の投資らしい。亭主らしき男は出資していないんでしょう。出資していたらこんなに無関心ではいないと思う。

 翌日から引っ越し作業に入りました。学校からも避寒滞在中の徘徊老人さんからも、その他いろんな人から「我幇ni」、「要不要幇」と言われました。ある教え子なんか「車を出します」なんて言ってくれましたが、目と鼻の先に引っ越すのに車は大袈裟。荷物だって大したことはない。ですから少しずつ、鼠が物を引くように運びました。元の湖北大厦と引っ越し先の四川大厦との距離は50m有るか無いか。大したことはない。ところが案外エレベーターに時間を取られた。湖北大厦は15F。四川大厦は20F。どちらもエレベーターが2基しかない。待ち時間と乗っている時間が長かった。結局3日間で20往復くらいしたでしょうか。まぁ滞りなく運び終わりました。ただ冒頭で申しましたとおり、陽気が良くなったものですから暑かったです。でもいい運動でした。

 ピカピカの新房間ですが、いざ入ってみますと不具合が一杯。まずベランダの水道の蛇口からポタポタ水が落ちる。下がコンクリの箱になっている。モップなんかを洗うところ。底の栓を閉めると2時間で10cmくらい水が溜まる。不動産屋に行って話したら「房東に言え」と。仲介成立したら冷淡なものです。しょうがなくて学校から房東に電話させた。私、名刺を貰っておきましたから。電話したのは14日でしたが、驚いたことに翌日その細身の女性が修理やを連れてやって来た。蛇口を取り替えて漏水は止まった。「他に何か要求は無いか」と聞かれた。洋服箪笥の扉に把手が無い。開けにくい。そしたら「分った。すぐやる」と言って修理工と把手を買いに行き、戻って来てすぐに取り付けた。いやいや、感心しちゃいました。こういう中国人は珍しい。

 その後、次々に不具合を発見。最初に全部チェックすればいいのに・・と言われそうですが、こちら引っ越し作業中ですからそこまで手が回らない。使って初めて不具合に気が付く。台所のシンクの排水口から水が漏る。更にシンク自体の周囲がパッキングされていない。ただ孔にシンクを嵌め込んだだけという状態。トイレのフラッシュを使うと、いつまでも水がチョロチョロ出ている。電話屋が線を繋ぎに来たけれど、孔が二つある中の電脳口の方にモジュラージャックが入らない。雌口の方(壁に入っている方)を換えなくちゃダメだと言って帰った。

 翌日午前中に、車を出しましょうと言ってくれた教え子が様子を見に来ました。丁度良かった。早速房東に電話して貰った。そしたらすぐに実見に来ました。一つ一つ見て納得。午後には修理やを連れてきた。そして「他に何かないか」とまた聞く。こちらダメモトで「キッチンの戸棚にも把手があると開けやすいのだが」と言ったら、これもやりましょうと。で、頼んだことを翌日まで二日掛かりでやってくれました。一旦金を受け取ったら最後、後は舌を出すのも嫌というのが普通なのに、ホントにこの人は偉い。

 その翌日のこと。修理作業中のところへ徘徊老人さんが陣中見舞いに来てくださって房東の女性と雑談。徘徊老人さんは中国語を何の不自由もなく話せます。この女性[草冠+甫]田の出身。厦門大学卒。中山路のデパートに化粧品の店を出しているそう。[草冠+甫]田という所は福建でも優秀な商人を輩出することで有名な土地。昔はとても貧しい土地だったらしい。だから行商に出る人が多かった。日本で言うと甲州商人、近江商人でしょうか。親は食べるものも食べずに子供には教育を受けさせる。だから利口な人が多いのだとか。客家もそうですね。で、やっぱり、この房間は彼女と親の投資だそうで、内装費込みで約22万元だということでした。クレームに対する迅速な対応については「お金を貰っている以上当然」と言っていました。私はいい部屋を見付けただけじゃなく、いい房東に当たって幸せでした。

 まぁしかし、それにしてもひどい。何がひどいか? 内装業者です。修理工が不具合を直すのに、手直しじゃなくて部品を買って来て取り替えている。使ってあるものが不良品だと言うんです。そうでしょうね。例えばモジュラージャックが入らないなんて、規格どおりに作られた製品ならあり得ないことですからね。この後また2ヶ所も不具合を発見して、そこを取り替えて貰いました。どちらも水回りでした。この調子だとまだまだ出て来そうです。
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