04.02.25  崇武古城

古城入り口
古城の入り口帰るときに撮ったので暗くて字がよく見えない。
関帝廟
城壁の上から城内を望む。
 先週末1泊で崇武古城という所へ行って来ました。厳密に言うと「恵安市崇武鎮」。泉州市の東北に当たります。

 昨年からある教え子に「私の故郷へ遊びに来てください」と何回も誘われていました。この辺は石材関連の仕事が多い。日本との取引が多いですから、必要があって日本語を勉強に来る。この人もそういう中の一人。私はそういう付き合いは極力避けてきた。何故か? 得てしてこういう人達は「先生。日本の石屋さんを紹介してください」と言うんです。私、石材関係の知人はいない。紹介出来ない。仮にいたとしても、あとあと煩わしいこともあり得る。だから言を左右して誘いを断っていました。でも懇望黙し難く、とうとう何回目かの申し出に応じて出掛けることにしました。

 最初は教え子(以下S君と呼びます)の社用車が迎えに来る筈でした。当日になったら「先生済みません。バスにしてください」と電話があり、S君がタクシーで迎えに来ました。前日恵安からの帰りの高速道路上で、運転手が交通警察に免許証を取り上げられた。だから車はあるけれど、運転手がいない・・・という説明。「スピード違反かい?」と聞きましたら、「いえ、水を飲んだから」と言う。「エッ! 水飲んで免許証取り上げ? そんならお酒飲んだら死刑だね」。

 いえ、流石にそんな馬鹿なことは申しませんが、何だかよくワカラン。この人日本語下手なんです。いろいろ問い詰めましたところ、運転手は水を飲みたくなり、路肩に車を止めた。運悪くたまたま通りかかったパトカーに咎められた。何でも高速道路上では路肩でも停車してはいけないことになっているんだそうです。日本より厳しいですね。しかし、運転しながらでも飲めただろうに、わざわざ停車したのは安全を考えたからではないか。「偉いじゃないか」と言ったらS君は、「馬鹿なんです」とニベもない。何か他に言い様があったんじゃないか・・・ということらしい。まぁそうかも知れない。と、まぁそういうわけで、厦門のバス総站から恵安行き直行バスに。約2時間強の道のりです。

 崇武中心部のやや手前で降り、ホテル海峡酒店へ。新しい二星。荷物を置いてS君の実家へ。歩いて数分。道々新築の家が目立つ。大抵3階建て。壁、柱、殆ど石を使っている。こちら貧乏性。耐震性は? とチラと懸念が頭に浮かぶ。17世紀、この地方に大地震があった。だから、将来全く無いとは言えない筈なんですが。
恵安女の服装
S君の家も石造り。天井が高くヒンヤリして気持ちが良い。親父さんは52歳でまだ若い。お母さんは典型的な恵安女の服装。これ、有名なんです。ここでは倭寇と言っていますが、要するに海賊に襲われるのを避けるため男のような格好をしたのが始まりという説明です。私はかえって目立つんじゃないかと思う。
(注)写真は道で会った人たち。
漁船
で、親父さんは元漁師。今は魚がいなくなって漁業はサッパリだそう。乱獲したに違いない。仕事はせず毎日好きな麻雀を楽しんでいる。息子が稼ぐから生活の心配はないらしい。52歳で楽隠居。いいですねぇ。こういう人達に「日本には過労死がある」と言ったってとても理解されないでしょうね。(注)もっと大きい漁船も停泊していましたが、今は殆ど稼働していない。

  崇武古城に行きます。ここは一昨年一度来た。明代、名前を忘れてしまいましたが、ナントカいう武将がここに城壁を築いた。この辺は岬状に海に突き出ていて、おまけに砂浜。海賊にとっては襲い易い場所だったのでしょう。被害甚大であったらしい。築城後、被害は無くなったのかどうかは知りません。崩れかけていた城壁を補修し、更に海浜に石の彫刻をずらりと並べ石彫博物館と銘打って入場料20元を取る。私も払って入った。ところがこれが詰まらない。三国志、水滸伝、西遊記その他、物語に出てくる人物などの彫刻のほか、灯籠、五重塔、鶴亀。およそ石彫の類型は全部ある。でも、そんな物見たって面白くも何ともない。ただ、この地域では石の彫刻は何でもできるよということだけはよく分かります。一体に中国のこの種名所の入場料は高い。20元は安い方ですが、それでも中身とのバランスを考えると取り過ぎの感がある。

 そのときは別の教え子の仕事の車に便乗して行きました。C君というのですが、彼が下請け工場で打ち合わせてる間に古城へ行った。だから時間が無くて、古城の中までは見られなかった。今度は最初から城壁の中に入ります。中はまさにカスバ。いえ私、まだアルジェへ行ったことはありませんよ。でもおそらくこんな風だろうと思います。道が細い。曲がりくねっている。家は小さい。中を覗くと暗い。ゴミが散らかり、溝が匂う。人がすれ違うのがやっとの道をバイクが走る。天秤棒担いだ饅頭売りがやって来る。

 所々に廟があります。関帝廟であったり、氏族の廟であったり色々です。古いのも新しいのも。大体おばぁさんがお参りをしている。何で爺さんはお参りをしないのか? これ改めて考えると不思議ですね。やっぱり女性の方が欲が深いからじゃないでしょうかね。男はなるようにしかならんと達観できる。女性は一日でも長く生きたいと願う。死んでも閻魔様、私だけは咎めないでね。そしてあの世では楽をさせてね。まぁそんなことなのかなぁ。
お祈り
 ちょっと引っ込んだ所で若い女の子達が漁網の手入れをしていた。老若3人の男が傍にいたけれど、この連中はタバコ吸ってるだけ。ちょっと眺めていたら男がやって来て、「どうぞ入って。どこでも写真撮っていいよ」と言う。「どこでも」と言ったって猫の額みたいに狭い。何の網か聞いたら「エビ網」とのこと。
福建式トランプ
 「どこかいい所あったか?」と聞かれ、「この先の張氏の邸宅は面白かった」と一言言ったら「あそこの張より家の方が本来上なんだ」とまくし立てる。こういうところは如何にも中国風。日本人の場合は腹の中で思っていても言わない。猫がいたので、岩橋さんの為に撮っておきました。

 途中でS君に「今どの辺りにいるか分かる?」と聞いた。彼「いえ、分かりません」と言う。彼はここで生まれたのだそう。で、その家は売って引っ越した。だからここは彼の生まれ故郷なのに、まるで見当が付かないと言う。私には何となく城内東寄りの一角にいるという感じがあった。果たして暫く歩いたら門に出た。東門だそう。そこからバイクタクシーに相乗りでホテルへ。5元でした。      (続く)
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