04.12.25 建築ラッシュと建材
準備された煉瓦
宿の近くの工事現場に積まれた煉瓦。20階はあるビルですから総使用量はこの10倍じゃきかないでしょう。
 中国では家を造るのに昔は磚という黒い煉瓦を使っていた。それがいつ頃から変わったのか知りませんが、今は盛んに赤煉瓦を使っています。ところが2年ほど前、突然、一般住宅の建築に煉瓦を使用することが禁止になった。禁止の理由は農作物と環境の保護ということだったと記憶しています。この事については前に一度書きました。それはこちらをご覧下さい。環境保護は煉瓦を焼くのに石炭を使う。その大気汚染を減らしたいということじゃないでしょうか。

 しかし禁止になったのは一般住宅だけで、その他の所には盛んに使われています。なぜ煉瓦がいいのか。使い易いからでしょう。そして決定的な理由は、安いということではないか。日本のようにビル外壁に軽金属のカーテンウォールや人造大理石を、またマンホールに鉄筋コンクリート管を使ったら、煉瓦の数倍の資金を要すること必定。それは現状不可能ということでしょう。

煉瓦で出来ているマンホール
(写真左)下水のマンホール。見ているとアッという間に出来上がる。間にセメントを挟んで積み上げるだけですから簡単。ただ、下水が隙間からかなり浸み出そうに見えます。これは問題です。
(写真右)倉庫の入り口。ここにドア枠を嵌めるのでしょうが、車の尻がチョット当たれば崩れそうです。
煉瓦作りの壁

建築中のマンション。前が販売所
(写真左)マンションの側壁がすべて煉瓦。この重量は大変なものでしょうね。もし地震があったら、この煉瓦が小型爆弾になります。
(写真右)左の2棟は落成したばかり。右の1棟は建築中。市内至る所でこういう光景が見られます。大変な量の煉瓦が使われているわけです。
新築落成のマンション

 こういう建築ラッシュと煉瓦の使用はここ廈門だけではありません。中国全土ほぼ同様と思われます。煉瓦は中国国内で自給可能。しかし、中国がもし仮に煉瓦の代わりに軽金属製カーテンウォールや人造大理石、鉄筋コンクリート管を使い出したら、それら製品の世界相場に影響が出る。早い話、大きく値上がりします。そして、資源が余計消費される。

 中国が先進国並みの生活レベルを実現するには地球があと2,3個必要と言われています。資金の制約があって現在それができないということが、他国にはプラスになっているわけです。しかし近い将来、その事情も変わってくるでしょう。日本のような資源のない国はより一層、省エネルギー・省資源対策の研究を進めなくてはなりません。

 話は急に変わります。建築ラッシュが続く中、やはり途中でコケるケースもある。日本の土建業界では「ケツを割る」と言うらしい。
工事再開のホテル
(写真左)長い間、金ピカ壁が一部だけ張られたところで工事中断していたビル。最近工事が再開された。中断はオーナーが脱税で逮捕されそうになり、国外に逃げた為だとか。後がどう処理されたのか知りませんが、シェラトンホテルがここに入るのだそうです。
半ば廃墟のビル
(写真右上)私がここへ来た時からズーッとこの状態。事情は分かりません。ホームレスが住み着いているみたいです。

 そのほかにも、とても分かり難いことがあります。右二つ上の写真の新築落成したマンション。夜になっても電気が点きません。どこかの金持ちが投資目的で丸ごと買い、ジッと値上がりを待つということなんでしょう。その一方で民工に対する賃金不払いが全国的に発生している。こういう実態を目の辺りにすると、中国政府のGNP8%の目標達成なんて発表はどうも信じられない。かなり割引して見なければならないと感じております。
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