04.11.23 留学の種類・費用
夜の豫園
豫園の夜。この写真と本稿とは関係ありません。
 
 これは「58.留学先国の順位」の続編です。ここから入られた場合は、できたら58.から続けてお読み下さい。


 それでは留学生についての質問を続けます。
8)



 留学生に国費、私費の別があるのは知っていますが、機関留学生というのは何ですか? また、国費、機関留学生の場合、留学費用のどこまでカバーされるのでしょうか? 渡航費、学費、生活費、小遣いなどもカバーされているのですか? それとも一括でこれだけ出すから、あとは好きにやれ式なのでしょうか。

 国費はここでは日本政府給費の意味です。選考は在北京日本大使館が行っているようです。機関留学というのは私の造語で、提携関係にある大学間の交換留学とか、政府機関・企業などから日本のその種の機関または大学に留学するケースを指します。

 <費用負担について>
 1.





国費(大学)
 渡航費、宿舎日本政府負担。学費免除。生活費として月15万円支給。国内旅行も何回かセットされている。実はこれ、もう10年ほど前にマレーシア人留学生(一橋大)から直接聞いた話で、中国人留学生の例ではありません。しかし、相手国によって待遇に差があるとは考え難いので、おそらく中国人も同条件だと思います。ただ、支給金額などはその後変ったかも知れません。

 2.






















機関(大学)
 これは実例でお話ししましょう。上師大と京都教育大の交換留学です。京都からの留学生T君と外賓楼で親しかったAさんから伺いました。

 T君とは帰国後全く連絡は取れていませんが、彼の上師大への留学は交換留学生としてであり、その費用は学費は無料{京都教育大へ納入済みだから}で、寮費その他生活費は毎月18万円京都教育大から上海で開いた銀行口座に振込まれていました。{因みに今、日本国が外国人留学生に支給している奨学金は月18万円です}。なお、渡航費はおそらくT君の自弁だったと思います。一方、上師大から京都教育大へは年1人か2人かは知りませんが行っていたようで、生活費は上師大支給だったようです。これは私(A氏)が図書館へ日本の新聞を読みに行き、そこで帰国した元留学生に会ったとき聞いた話です。渡航費については聞きませんでした。
 
 もう一つ。これは学生ではなく教師の例です。上師大は龍谷大と交流があり、上師大から教師が1人、1年間龍谷大へ研修に行けるようになっていました。対象者の選定は各学院の持ち回りのようで、たまたま私の在任中に外国語学院がその番に当り、日本語科の最若手の女性教師が選ばれました。私、一夕その人を食事に招いて激励。そのとき彼女は、支給される金額が「少ない」と不満を洩らしていましたが・・。以下、最近彼女に直接電話して確認した話です。

 渡航費は上師大が負担。龍谷大は宿舎と生活費月額10万円を負担。課業は特に定められておらず、授業に出る出ないは自由。義務は帰国後上師大に報告書を提出するだけ。生活費は10万円で足りた。非常に有益な1年間でした。

 3.



















機関(その他)
 (財)海外技術者研修協会という経済産業省の下部機関があります。ここはほぼ全世界の政府機関または企業からの技術者研修を受け入れています。他省庁でも類似の活動をしておりその重複が問題視されていますが、それはまぁ横に置いて、その費用はODA予算で賄われております。するとこれも広義には国費による留学と言えるのではないか。ただし、こちらの対象者は学生ではなく、また期間は長くても1年程度のようですから厳密な意味での留学には該当しないでしょうが、国際協力・友好促進という観点から見ますと、決して小さくない実績を挙げています。

 で、その費用負担ですが渡航費から宿舎、小遣いに至るまですべて日本側の負担です。その支給されるお金を貯めて帰国することも可能なので、派遣元が支給金額の一部をどういう名目かは知りませんが、予め徴収してしまう例もあると聞いたことがあります

 なお、この3のような制度、コースは一般にあまり知られていない。しかしかなり多種類あって、受益者も累計するとかなりの人数になっています。(財)海外技術者研修協会の例で言えば、アジア各国に日本研修経験者の同窓会が組織されており、それぞれが連携し合って活動しています。以上、ちょっとご参考まで。
 
 費用支給が分割か一括かについては、各ケース毎に異なるのではないかと思われます。

9)









 留学生の渡航前の日本知識というものはどの程度のものなのでしょうか?個人で日本事情について情報を得ようとしてもそういう本などあるのでしょうか?さらに言えば、いったい日本はどんな国なんだろう−−そういう文化的な好奇心に胸をワクワクさせるといったような「DNA」は存在せず、ただ実利志向で、国や文化の壁などアッケラカンと乗り越えていくような感じなのでしょうか?

 本物の留学生(私費)に聞いてみました。私の教え子です。この学生の経験が殆どの留学生に当てはまるように思います。

 先生 こんにちは。Wです。先日のご質問のことですが、
 1


 留学生渡航前に、日本に対する知識は人によりけりですが、日本の物価が高いや、留学生が日本での生活が苦しいなどの漠然としたイメージぐらいでしょう。私もそうでした。
 2



 日本事情を得ようとする場合、中国では、日本事情のような本は売ってはいるのですが、殆ど十年前のことや日本の風土や民族習慣などの日本での実際の留学生活に役に立たないものばかりです。ですから、みんなおそらくインターネットでそういう日本に関する最新の情報を見ているのではないかと思います。
 3


 私の場合、日本に来る前、一番心配していたのは、アルバイトがすぐ見つけるかどうかのことでした。アルバイトが授業料と生活費の支えなので、一番関心かつ心配していたことでしたね。

 まだ続きます。
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